Report

— 過去に発表した作品の取材レポート。撮影時の舞台裏を、約2週間間隔でほのぼの更新。

レポート81
27 May 2021更新

2015年発行ブルーガイド山旅ルートガイド「関東周辺の山」掲載写真「両神山」


 ずいぶんと更新が遅くなって大変申し訳ございません。そろそろ書こうかな、とちょうど思っていた矢先にコロナの影響でぽしゃりそうだったロケが許可されまして急遽撮影に入っておりました。この一応☆緊急事態宣言下に移動する、というのもいくら許可が出たといえなかなか素直に喜べないところもありますが、とくにひと気のないところでごちゃごちゃやっておりましたので何卒お許しくださいませ。
 撮影したものは7月オンエアだか細かい日時はまだ未定のようですが、久しぶりに「NHKBSにっぽん百名山スペシャル」にて出演致します。正直ロケがうまくいったのかどうか、はこれからの仕上げ次第。。。のような気がしますので、内容は少し控えさせて頂きますですはい。仕上げの進捗によってうまくいきそうなら、ちょこちょことご報告致します。
 しかしどうにも天候が不順な年でございますね。比較的安定していた場所に行っておりましたが例年のスッキリ5月のようにはいかず、なかなか苦戦致しました。入る前は予報が悪かったこともあって停滞中にレポートを書こうと思っていたのですが、今回は山の上だけでなく麓の撮影にも力を入れておりまして、天候が悪くても悪いなりに撮影をしましたので案外暇な時間がなく。。。一日だけ曇時々雨のフリー停滞日があったにはあったのですが、ご当地の陸上競技場に行って練習してしまいました。というか実はこんな事もあろうかとしっかりスパイクを持参しておりまして。でもこう、見ず知らずのトラックで走るとなんだかうまくいかないのは何故だろう。距離も一緒のはずなのに。
 話は変わりまして、前回のレポートでどうでもいい「炒飯」の話をさせていただきましたが、「モサモサの炒飯というのがイマイチわからない」というお問い合わせを頂いてしまい、表現力不足で大変ご迷惑をお掛け致しました。詳しくは美味しんぼ第4巻の「直火の威力」を読んで頂けるとわかると思いますが、いや、、、あれはやっぱり嘘のようである。
 要は米と米がベタベタくっつてしまっている炒飯のことを「モサモサ」と表現したのでありまして、個人的に好みなのは米と米がくっつかない、ベタベタ感の少ないパラパラ炒飯であります。家で炒飯を作るとどうにも上手くいかず、やや焦がしてパリパリか、ベタベタ感のある炒飯になりがち?なのは私だけでしょうか?美味しんぼでは鍋を振るったときに宙に浮いた米を強力な直火で炒めて余分な油を落とす、とか言っておりますが、どうも炒飯の美味しい店で食べるとあのパラパラ感ってむしろ油のような気もします。むしろ油なのか何なのか、とにかく米にコーティングがされていて一粒一粒がくっつかないからパラパラするような。とりあえずは「モサモサ」という書き方が悪かったようで、どちらかというと「モチモチ」とか「ベタベタ」という方が正しいでしょうか。わかりにくくて大変ご迷惑をお掛け致しました~。
 それと、映像撮影を担当させて頂きました谷川岳インフォメーションセンターですが、こちらもコロナの影響でオープンは延期のようでございます。まあご時世的にどうしようもないですね。なんとか落ち着いて収束するのを待つしかないようです。そういう意味では皆様には家にいながらでも見られるよう、もうひとつの映像作品を「今度こそ!」真面目にそろそろYouTubeにアップ致します。ようやく目処がつきましたので近々ご報告致します。映像は3月から出来上がっていたのですが、、、色々とありまして。
 さて、今回の写真ですが両神山からの北アルプス展望写真です。至って普通のガイド用写真ですのでその点はお許しを。何とも微妙な天候の中で入った撮影でしたのはさすがに締め切りに追われていたから、というのがありますが、それでもいくらか良さそうな日を選んで入山したつもりです。本当は両神山と言えどガツーンときっつい山岳写真を撮りたいところですが、こればかりは何とも。両神山ってこの山に登らず案外離れていた方が山容は見映えのする山というのもあり、まあ仕方ないか、と言い訳。個人的には西岳からの両神山は見映えがすると思いますが、西岳も両神山の一部だから両神山全体を両神山として撮るにはやはり少し離れていた方が良さそうな山なんですよね。なのでどうしてもガイド写真を撮りに行くときは登りにいくわけで、なかなか「両神山」として撮ることが難しいところがあります。
 撮影は2015年5月22日、さすがにこの時期だとお昼を過ぎると展望が霞んだりしてくる日もありますから山頂付近の撮りどきとしては朝、午前中早めほど良いです。ですので基本樹林帯の両神山では日帰りでおさえずに前日入り避難小屋泊、翌日早めに稜線を撮るという行動が自動的に決まります。とはいえ日も長い時期、前日は暮れるまでに小屋に着けばよいので遅め遅めの出発となりますから、それはそれで気分的に楽チン。出発が朝早いと起きられるかどうかが不安で不安で。。。お昼頃池袋から西武線に乗り秩父駅からドンブラコと秩鉄で三峰口へと参りました。三峰口からはバスを乗り継いで行くので登山口である日向大谷に着いたのは午後3時でありました。日が暮れるまでに避難小屋である清滝小屋に着けばいいから、ここからはのんびりと向かいます。スマホに映画を1本入れてきたけどあんまり早く着いて暇だとそれはそれで困るので、結構ゆっくりめで歩きました。いや歩いたはず。
 途中ツツジの花が散って登山道の一箇所にまとまって落ちているところがあり、ああ綺麗だな、と写真を撮ろうと頑張ってはみましたがなかなか絵にならず、う〜んと貧弱な頭を捻って少しの間考えてみましたがどうにも撮れないのでやめました(笑)。そもそも私って形にならなそうなものはとことん撮らないタイプですので結構写真が残ってなかったりするんですね。昔はフィルムでの撮影もつまらない写真はバッタバッタと捨てておりまして、とりあえず残していれば思い出ぐらいになったものを、、、と思うときもありますが「思い出は心に!」と考えるどうしようもない聞き分けの悪い子でしたもので本当に記念写真的なものが残っておりません。まあとにかく写真家だからとなんでも撮るわけでもなく、意味があるから撮るから撮らないときは全く撮らない、というのがあったりします。
 まあそんな風に時間を潰したつもりでしたがあっさりと午後5時前には小屋に着いてしまいました。小屋は樹林に囲まれておりますのでさほど暑くはないのですが、なんとなく蒸す感じで涼しいということもない微妙な空気感。先客が何名かおりましたが、みなさんもうお休みモードに入っている感じでした。ぱっと見ほぼ単独で来られているようでしたが、当然翌朝山頂に行くと思いますから私は少し遅らせて向かうのが良さそうです。山頂は広くないのであまり人がいるようだと撮影に手間取ってしまったりしますもので。とりあえず私ももうこの日にやることはないので速攻で夕食を済ませて寝袋にくるまって映画を見ていたと思います。軽量化のためマットは持ってきませんでしたが小屋に毛布があったので助かりました。なかったら面倒だから板の間で寝ようとは思っていたのですが。しかし相変わらず寝袋にくるまって真っ暗の中の至近距離でスマホを凝視していても、、、一向に目が悪くならんのだよなぁ。
 翌朝はもちろん晴れ。ゆっくり過ごしておりましたから気づいたときにはみなさん捌けたあとで、ある程度明るくなってからの朝6時ごろに山頂を目指しました。途中樹林の合間から空を見上げると空に環天頂アークが出ており、この時期ならではの微妙な天候が伺えます。まあそれでも青空は広がっているから大丈夫でしょうと高を括っていたのですが、1時間ほどで山頂に着いてみると、、、なんとなく曇り空。晴れているといえば晴れているんだけど、うっすら曇っているというか、とりあえず太陽の光が100%ダイレクトという感じではなくて約30%オフという感じ。う〜むまあ視界は悪くないのだが、もう少し「ガツン」という日差しが欲しいところ。ですので、なんとか少しでも日差しが強くなる頃合いを待ちつつ1時間ほど山頂におりました。その間はほぼ登山者がいなかったので、小屋に泊まった人たちはホント朝イチで登って下ったようである。みんな早すぎ!
 まあそんな天候でしたが展望だけはしっかりとしており、八ヶ岳や浅間は当然、北アルプスもずらりと見渡せました。両神山はほぼ山頂と少しの稜線でしか展望のない山ではありますし、近くに大きな山がないのでダイナミックでパワフルでインクルーディブルな山岳風景が広がっているかと言われるとそうではないのですが、でもともかくこういう周囲にブワ〜っと展望が広がる山も嫌いではありません。山座同定をするにはレベルが少し上がるので、そこは楽しめるところ。ということで各所山頂から撮影いたしましたが、北アルプスは剱岳から後立山連峰を切り取ったのが今回の写真です。

次の自販機こそは

 このときは山頂から八丁峠を目指して稜線を歩いていきました。岩場の続くルートで鎖場も多いですが、危険かと言われるとそうでもない感じのルート。それよりも問題はこの八丁尾根を歩いて峠の林道に下山してからどうやって帰るのか、が私にとっては核心部ではある気がします。午前10時ごろに山奥の林道に出て、バス停のある集落へとずっと下っていく。もちろん最初からその予定でバスの時間も調べており、「坂本」のバス停の時間は10時半、14時35分といったところ。バス停まで約12kmありますから10時半の便は当然間に合わないわけで、しかし14時半というのも微妙な時間である。人間の歩くスピードが時速4kmくらい、道が下り基調で私の脚だとだいたい時速6kmくらいでしょうか、だいたい2時間あれば着くんじゃないでしょうか。となると12時に着いて、2時間も何をしたらいいか。。。まあいつものバス時刻ギリギリダッシュするよりは昼寝でもしてればいいんだし、難しく考えることもない。ということでどこか両神山の東面の眺めがよいところがあるか探しながらダラダラと林道を歩いて行ったのでした。
 林道からはがっぽりと展望が開いての眺めの良いところっていうのがなかなか無く、それでも手前の木々と合わせて両神山が撮れないものか振り返りながらずっと探しておりましたがあまり良い箇所はなかったです。今なら素直に谷に向かってドローン飛ばしてしまった方が早い気もしますが、う〜ん、それだとなんでもアリなのでなんとなく味気ない。やはり脚付で撮りたいものであります。結局だいぶ下ってきまして、少し登れば見映えもよいだろうと今度は二子山へと登って行きました。さすがに二子山の上まで登ると今度は離れすぎている気もしますしバスの時間も間に合わなくなるのでほどほどに登って探してみましたが、そもそもライティングはお昼、東面は午前中がよいですからあまりいい感じはしませんでした。それに二子山だとだいぶナナメからの眺望になりますから、ドスンとした両神山の山容になりにくい。やっぱり両神山はあの悪の巣っぽい「ズムシティ公王庁舎」の感じが欲しいですよね!
 再び舗装道へと戻り、あきらめてバス停を目指しました。午後1時くらいには着いたと記憶しています。よかった、今回はダッシュしなくて済んだ。とはいえ周りにお店もないし、自販機もないし、水もない。バスが来るまで1時間半もあるのでやることもない。バス停というといつもギリギリダッシュのイメージが強い私ですが、時間が余りまくるときも当然ありまして、そういうときは大抵次のバス停まで、また時間があればもうひとつ次のバス停へと歩いて行きます。じっと待っていられないんですね(ニッコリ)。
 登山口から坂本バス停まで12km歩いてきましたが、まあ暇なのでまたそこからとぼとぼ歩いて行きました。途中で自販機があれば、早めにコーラが飲めるんです。しかし、結構歩けども歩けども自販機が出てこない。しばらく歩いてついに出てきたぁああ!と思うとだいたいダイドー自販機がポツンと1台、だったりします。いや、ダイドーでもいいんですよ、エナジージムとか結構好きです。でも、コカ・コーラが飲みたいんです。何をこだわってるんだかよくわかりませんが、どうしようもなく喉が渇いているときほど、最初に喉を潤す味にはこだわりたいところ(意味不明?)。結局歩きに歩いてやっとこさ酒屋の自販機群を見つけ無事コーラを飲みましたが、しかしだいぶ歩いたな。。。

 あとから歩いた距離を測ってみると
 下山してから20kmほど歩いたようです。
 う〜ん、いい大人が重い荷物担いで何やってるんだか。

 行商でも始めようかな。

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