レポート138
14 Mar 2026更新
2019年3月13日 丹沢・ヤビツ峠
今回は2019年3月のレポートを書こうと思ったのですが、この頃のことはやたら印象に残っております。いや、レポート自体はたいした所ではないのでおそらく短く終わる回なのですが、何というか自分の体調と照らし合わせた記憶とでも申しましょうか、この頃は珍しく「長距離」を結構練習しておりまして、駅伝にも駆り出された時期でした。
この前年の2018年は自分がちょうど40歳ということもあり、「40歳でも800mで2分切り」という目標で走っており、まあ難なくクリアできたものですからできるならあともう一歩ということで1分55秒台くらいは目指してもいいんじゃないかと思い始め、それなら必要なのはもう少し肺の方のトレーニングをと思って結構長い距離を冬場から増やしたのでした。
そうは言ってもその40歳のもっと前、30歳代の頃は実は長い距離ばかり走っていて、30kmを約2時間・1k4分ペースで走れていたものですから十分長距離ランナーではありました。それが2015年頃だったか、やっぱり100m11秒台くらい出ないようじゃ男じゃねえと思い始め(意味不明)、2016年に12秒2、2017年に11秒6まで戻してこれたのでした。そのスピードもあってか800m2分切りはすんなりといったのですが、じゃあそこからもう一段階800mでタイムを出すには100mのタイムよりも長距離!と思ったもので、1000mインターバルとか3000〜5000mを中心に頑張ってはみたものの。。。なんでしょうね、1k4分ペースのロング走であれば気持ちが良いのですが、1k3分20〜30秒あたりがつらいのなんの。もちろん体質にもよりますが、長から短は勢いでいけるものの、短から長にするのがどうにも苦手で。そもそもはち切れんばかりのダッシュをして楽しむ競技から、全力を出さなでいじれったく我慢する競技に移行するのがものすごく難しい。そういう訳で2018年年末はなんとか3000mで9分台、5000mで17分台という一般中学生のような記録で踏ん張ってはみたものの、2019年の年明けにあっさり気持ちが弾けてもうダメぽになったのをよく覚えているわけです。向いてない!以上!という感じでした。その流れで3月に駅伝5kmを走らされたので本当に辛かった。。。そういう痛い目にあったのでやたらと記憶に残っております。
結局のところ48歳になった今でも800mは2分界隈で走れるので、800mに長距離の練習はそんなに必要ないのかもしれない。最近も長い距離は時々のジョグ以外あまり走っておらず、短い距離が中心であります。しかしながら400m51秒、800m2分というのはこの年齢層の中ではおそらく日本で一番速いタイムとなります。ふと思うんですが、こうやっていくらかトレーニングを積んでいるから重い荷物を背負って山に登ることができていると自負しております。もしトレーニングをしていなかったら、もし山だけ登っていたら同じことをするのはとても厳しいと思うんですが、他の方ってどうしてるんだろう。それなりに登れるんだろうか。というか無駄な重い荷物を背負ってないのかもしれないが。。。ともかくそういった恐怖心からもまたトレーニングをしてしまうという謎の循環が始まってしまい、最近は一体いつになったらロッキングチェアでのんびり余生を過ごせる日が来るんだろうと思う毎日です。実は今年はもう競技には出ない、引退する!と一大決意をしたのですが、なぜか4月のマイルリレーに駆り出されることになりました。。。6月の都民陸上にも駆り出されそうだ。。。お、終わらない(´Д`;)。
ということで、今回のレポートですが、2019年3月13日に撮りに行きました丹沢のミツマタ林です。写真はワンパターンで少ないのでお許しください。タイトルは「ヤビツ峠」と銘打っておりますが正確には峠から5kmほど北に下ったところで、まあそこまでもずっと舗装道路なのでとくに登山というものでもない。いつものことでありますが、山の写真というのはもちろん山上の、稜線の写真がメインにはなるでしょうけど、やはりそれだけでは山の大きさや高さ、人との距離や関わりを表現できるものではなく、こういった細々とした素材も各々の山が持つ深みを表現するものとして、そしてまたその表現を広げるものでありますから、山に登らなくてもこまめに撮り歩いていたりします。舗装道路だから当然車で行けるのですが、あえて歩くのはやはりその山が持つ自然を味わうためであります。いや違った、車持ってなかった。いや、それも違った、免許取ってなかった。
目的はと言えばそりゃミツマタなわけですが、もっと深くの目的はというとこの時期三月あたりの季節感といったところでしょうか。稜線だとそろそろ締まってきてテラってきた雪面とかで表現するわけですが、そればかりだとちょっと物足りない。里に降りれば梅が咲くし、場所によっては足元にカタクリも咲くし、と色々と撮っておきたいわけです。その中で「黄色い花」ミツマタはちょうど良い素材であります。黄色だったら他にもマンサク、サンシュユ、レンギョウなどもありますが、暗い樹林帯に地味に華を添えるミツマタはまた違った趣があっていいですね。もちろんミツマタでも明るいところで咲いている場所もありますので一概に「そのイメージ」というわけではないですが、丹沢らしい暗い樹林、そして横から差し込む光という繊細なカットは特徴があって好きです。
撮影は2019年3月13日、樹林に差し込んでくる太陽の光が欲しいので頃合いの時間に合わせて向かいます。あまり早く出かけても光が入ってこないですからそんなに早く家を出なくてもよい感じ。でもそもそも、秦野発ヤビツ峠行きのバスは一日の中でこの便しかないような気もする。ちなみにこの一便しかないので帰りの便はこの車両なわけで、つまり帰りはだいぶ下のバス停まで歩くことになる。そういうわけで午前9時13分にヤビツ峠に到着したわけだが、撮影の記録を見るとここから北へ下った地獄沢のミツマタ林で9時28分に撮り始めている。ヤビツ峠から地獄沢まで約5kmあるから、、、15分もかかっていないことになる。どういうことなのか全くわからないので、考えられるとしたらカメラの時間設定が狂っていたのではなかろうかルンバ。いくらこのとき長距離をいくらか走っていたからといって、下り坂でも5km15分で機材を持って走れるわけがない。しかし思い返すとトレーニングを兼ねてヤビツ峠から小走りで向かったような気がしないでもない。でも20分はかかるはずだわな。
バスから降りたヤビツ峠はひっそりとしており、時期が時期だからか登山者の影も不思議と見当たらなかった。混むと嫌なので花の満開時期よりはやや早めで攻めたせいもあったのかもしれない。雪山に登り慣れているとこういった全く雪のないところを歩くのは非常に気楽で、何だかんだ言ってもまだ朝方かつ日陰の谷間で空気は少しひんやりとしているが山上に比べるとやはり暖かい。寒さで嫌な思いをすることがないというのは本当に大きなこと。ともかく9時も過ぎればそれなりに光が差し込んでくるところもあり、なるだけ早めに着くようにと少し小走りで峠から下っていった(結局走ってたんかい)。ヤビツ峠が標高760m、ミツマタの地獄沢が530mだから、振り返ってみるとそこそこ下ってたんだな。下っている最中も人に会うことはなかった。
そして(正確な時間ではないのかもしれないが)地獄沢のミツマタ林に到着。まさに丁度、時間も位置もピッタリな感じで光が差し込んでおりました。はてさて早速いきなり構図のよろしいところを探さなくてはなりませんのでちょっと焦ります。そうは言いながらもこれだけまとまって咲いてくれていたらあまり考えなくてもそれなりには撮れてしまうんですが、まあいつものことだと大体撮ったあとに「あの時間帯にここから撮りたかったなぁ」と思うこともありますから、一度ちょっと上に上がって見下ろしたり、周ってみたりしてから腰を据えました。
この暗がりに差し込む光とミツマタ林という写真はまあよくある状況で、とくに丹沢でなくても日本各地色々なところで撮れます。ですがこの地獄沢は「どこかの」というのではなく「丹沢の」という関連がつけられるのが、山の写真家からするといいところです。名のある山と関わりのない里の樹林では単体になってしまって繋がりがなくなりますし、丹沢山地の一場面とすることができると「丹沢」でまとめたときに山の深さ広さを作ることができます。一枚の写真で作品と考えるか、組で作品と考えるか、どちらのパターンでもできるようにしておかなくてはなりませんから、なかなかちょうど良いロケーションです。
ということで撮り続けます。斜め横から光が差し込む感じが非常に楽に撮れるのでよい場所です。樹林の中に咲くミツマタ、その樹林の奥まで埋めるミツマタ、そこにちょうど斜めから光が入る。このあたりは場所によるところがおおきいですから、本当に助かります。場所によっては奥へと続くミツマタの真逆行で太陽が入ってしまうかもしれませんし、背後から日が差したら順光では撮れますがこの幻想的な感じは出ない。つまり舗装道路をはさんで向かいの斜面に咲いていたら、撮るのはなかなか難しくなります。ミツマタが咲いていればいいってもんじゃないんです。
とりあえず歩け
しかしこのミツマタという花は面白いもので、まとまって遠目からであればかなり綺麗な印象なのですが、少し近づいて株単体で見ると枝がスカスカでなんだかちょっと寂しい。でも花だけにアップしてみるとぼんぼりみたいで綺麗。かといってぼんぼりまでしっかりと咲いている花は少なく、そううまく撮れない。でもやっぱり離れて樹林全体で見渡すと、すごい咲いてるように感じるんですよね。色々と探りながら、少し上に登ったり、上から見下ろしてみたり、沢の方へと下って違う角度から見てみたり、とにかく撮りましたけど「これだな!」と思える構図の場所は実は結構限られているのは不思議なところ。もちろん人ぞれぞれだから、人によってはもっといい構図の場所を見つけられるのかもしれないが、それはそれ。とにかくこれだけミツマタがあっても「目に付く光る株」が不思議とあるので、そういったものを見つけられるかがポイントでしょうか。と、偉そうなことを言う割りに同じような構図ばかり撮ってしまう私でした。
結局この狭いエリアで2時間半くらい飽きずに撮っていたわけですが、有り難いことにその間ずっと他の誰もここには来なかった。人が来るとそれなりに視界に入ってしまい、かといってプレッシャーかけないようにうまく待っていないといけないし、まあそれよりもいい歳こいた男が花園で一生懸命黙々と写真撮ってるところを見られるってハズいし〜。そういうわけで悦に浸って写真を撮っているところを誰にも見られなかったのはよかった。やっぱり芸術活動は、自分の世界に入るわけで、自分が最高だって思って、悦に浸って、、、、ハズい!いい歳こいた男がハズいなんて言葉を使うのもハズい!
そうしてちょうどお昼頃に撮影を切り上げて、今度は峠まで上り坂、約5kmの道のりをゆっくりと歩いて行きました。途中道沿いにそこそこ撮れそうなミツマタがあり、何度か足を止めましたが地獄沢ほどではなかったかな。でも満開のときに来ると至る所でもっと咲いているのかもしれない。そんな感じで咲きそうな株を物色しながらヤビツ峠へと戻ったのでした。往復約10km、元気だな。
戻ったヤビツ峠は相変わらず誰もいない静かな場所だった。来るはずもないバス停の時刻表を眺めて、わかっているのに何故だか確認してしまう。万が一でもバスこねーかな。って来るわけないでしょ。今になって思い返してみると、なぜこのときここから大山に登らなかったのだろうと思ったりする。ヤビツ峠から大山はすぐに登れるし、山頂経由ケーブルで帰ればそれなりに楽しかったんじゃないかと。ヤビツ峠からもっと麓側に下った機能している最寄りのバス停まで7kmちょっとあるわけで、ただ道路を歩くだけなら大山登ったほうが楽しいし時間もさほど変わらないだろうに。しかしこのときの私のチョイスは最寄りのバス停まで7km、蓑毛までただ歩いたのであります。なぜだかは今更わからない。長距離トレーニングのつもりだろうか?まあそれなら山に登るよりロードを走ったほうが何かにはなる。だけど、7kmもあるぜよ。今だったら、やだなぁ。まあ確かにバスでは何度も通ってるけど、歩いたことはない。歩くと違う景色が見えてくるのは間違いない。歩かないと見えてこないものもあるのはわかっています。
振り返って撮影メモには
”ヤビツ峠蓑毛間にもミツマタあり。なかなかいい道”
などと書いてあった。
しかしながらほとんど
記憶にない
もしかしたら
白目むいて走っていたのかもしれない。。。