Report

— 過去に発表した作品の取材レポート。撮影時の舞台裏を、約2週間間隔でほのぼの更新。

レポート85
06 Oct 2021更新

2017年発行地球丸ムック「トランピン紅葉ルートガイド」・掲載写真「天狗岳」


 久しぶりに山でレポートを書いております。まあいわゆる停滞日ということです。今回は双六小屋グループのPV動画を追加すべく秋の黒部五郎に来たわけですが、山に入る前は予報は悪いわ地震はあるわでどうなることやらと思いましたが、ギリギリなんとか撮れたのかなと思います。昨秋は五郎まで行く余裕がなかったので今年になってしまいましたが、なんとな~く早めの紅葉ながらぼちぼちでしたのでよかったよかった。
 紅葉というのはハズレ年だと絵が厳しくなってしまいますから、プロモーション用として撮らなくてはいけないと、撮れるまではホント気が気じゃないです。それでもなんだか気温が高い今年の秋、すぐに雲は上がるわですんなり撮れたわけではないのでだいぶ疲れました。夜は星を撮ろうかと毎日真夜中に起きてみるも夜なのにもくもく雲が上がっていたりしましたし。そして何より機材が重た過ぎて。。。
 動画機材を持ち込むとなんだか冬山テント泊フル装備より重い致します。。。100Lのザックで90L分くらいが機材なのでやはり何か間違えたことしてるんだろうか。登り始め、五郎小舎までがホントにつらくてつらくてさすがにもう歳かな。。。とも思いましたよ。しかし五郎が撮れて気が晴れたのか帰りの五郎小舎から双六小屋までは雨の中で2時間切るくらいで着きましたので、結局気持ちで生きてる人間なんでしょう、私は。双六小屋でケーキ食うぞー!というのが後押ししたのかもしれないが。途中の丸山付近で雷鳥がゴロゴロ出てきて計15羽くらいいましたが、雨がちょっと強かったのと、撮っていたら2時間切れなそうなので見送ってしまいました。何のために山に入ってるんだかわかりませんが、まあ、雨が強かったんです!
 ということで秋の黒部五郎、たしかに今年も綺麗でしたけど天気が微妙ではあったのでもう少し撮りたかったな、というのが本音です。とりあえず仕事としては成り立ったと思うので、自分の満足のためにはまた来ようかと思います。黒部五郎のカールは本当にいいところですよ。ちゃんとカール内が順光の午前中に来てくださいね。ちなみに動画はYouTubeの双六小屋グループチャンネルにて、年内には公開致します。見てくださいね~。
 さて、今回の写真ですが、秋の八ヶ岳は天狗岳になります。すでにレポートみたいな感じで雑誌記事にしたものですのでまた同じようなことを書くのかと思いきや、読み返してみるとこれといってレポート的な記事でもなかったのでまあいいのかな。
 今回秋の天狗岳で書こうと思ったのは、黒百合ヒュッテの岳樹さんから「最近ウチに来てないよ!」という感じのメールを頂いてしまい、大変申し訳ないという気持ちでチョイスさせていただきました。天狗岳、とくに秋は好きなので行きたいのは山々なのですが、大変申し訳ございません。近いうちに行きたいと思っております。
 それと、やや話は脱線致しますが、このレポートコーナー、ややルールを変えようかなと考えております。と言いますのも、今回のこの記事を載せた雑誌はすでにお亡くなりになっておりまして、おそらく今後もそういうのが増えてくると思うわけです。現在は「◯◯に掲載」という形をとっていますが、時が流れるにつれ会社ごとお亡くなりになることが容易に予想される時代ですので、載せるレポートが毎度毎度お亡くなりになったところのものだと流石に時代に置いてかれてる気がしてキツイなぁと。なので単純に作品撮影したレポートを書くのがいいのかなと思います。そうなるとまだ発表したことない作品や撮ってきたばかりの撮影レポートなども書けるのでやや幅も広がるかもしれませんし、というか撮影レポートとしては全く変わりないので読んでくださっている皆様には全く影響ありませんね笑。とりあえずそんなこと考えてます。
 さて、今回の写真の撮影は2016年10月7日。八ヶ岳は近いしすぐ登れるのでのんびり出発、登山口の渋の湯から歩き始めたのはお昼前の11時30分のことじゃった。そういやこの年も9月末まで黒部五郎に行っており、何とも紅葉がどうにもならないくらい酷い年でした。なので天狗岳も厳しいだろうなぁと思っていたのですが、まあその通りでした。ただそれよりも天候サイクルの都合でこの日になってしまい、そもそも紅葉ベスト日に間に合ってない訳で。。。天狗岳の紅葉は好きなのでなんとか少しでも間に合ってくれればいいなぁと思って入山致しました。
 入山日は最悪夕方に小屋に間に合えば良いので、11時半発だとさすがに黒百合で暇になってしまうので、とりあえず一般の方にはよくわからないと思いますが登山道調査を兼ねて西尾根を登っていきました。とりあえず登山道を繋げられる様に第二展望台まで登り、明日西天狗から一旦下って第二展望台まで、という感じです。しかし八ヶ岳というのはパパっと登ってパパっと山の上に出られるので、気楽で本当にいいところです。何かこう、修行感がない。展望台から見下ろす広い麓の風景と広い空、仕事柄山に登り慣れているとは言っても登り始めの初日は精神的にもどこかしら「登れるかなぁ」と心配になるところもありますので、こうスルッと上がれる山は気持ちがいいです。
 ということで再び渋の湯付近、ここからはちゃんと一人旅取材を進めるべくコース通りに歩きます。西尾根ほぼ登ったんだから西天狗から黒百合に下れば早い訳だが、やはり仕事上ちゃんと渋の湯~黒百合の行程を踏まねばなるまい。まあとにかく真面目にキッチリと仕事をしたいわけです。黒百合までは本当にすぐ着いてしまうので、歩き始めから1時間ちょっと、午後3時すぎには到着致しました。頃合いに奥庭に登ってみましたが、、、う〜ん、何とも無残な感じです。禿山、という感じ。もちろんシラビソが大半だから禿げてるわけではないですが、ダケカンバの木々はすべて枝のみとなっておりました。夕方の日差しはなかなかダイレクトで良かったので、う〜ん残念、11月って感じ。北アルプスでもかなり悪かったので、こんなもんだろうとも思いますが、まあそもそも時期に間に合ってないという方が大きかったかもしれない。昔に比べると紅葉もやや遅くなっていたりしますから、ちょっとは期待していたのですが。。。
 やっとこさ停滞日かと思っていたらあっさり雲が取れてきてしまいましたので、ここからは帰宅後の執筆となります。
 夜は厨房で食事をいただき、岳樹さんとお酒を飲みながらそこそこの時間までお話をさせていただいた。ちなみに私は普段からお酒は飲まないのだが、これといって大して酔わず結構飲めるという体質である。飲むのはお世話になっている山小屋くらいかなぁ。普段飲まないというと嫌われてしまうので黙ってはいるのだが、別に嫌いというわけではないです。さて、晩の話を思い返してみると私の仕事の愚痴しか話していなかった様にも思えるが、いつも優しく聞いてくれるのはさすが岳樹さんである。逆の立場だったら、私には無理である(笑)。ホント、こんないい人いるんだろうかという感じのいい人で、人類の中のいい人ランキングがあったらかなり上位に食い込むこと間違いない。さらにだいぶ昔に黒百合を取材させていただいたことがあり、掲載後に岳樹さんに「自分をかっこよく撮ってもらってよかった」と言ってもらえたのが今でも嬉しく思っている。私は人を撮るときはどんなときでも「格好よく」とか「絵になる」ように撮ろうとは全く思わず、むしろその人の話を伺って、その人となりを少しでも滲ませたいと思って撮るのだが、言ってみれば被写体が「いい人」だったのでそういうように撮れただけかと思う。いや、でも待てよ、いい人だから私に傷つけず、本当は気に食わない写真だけど「よかった」って言ってくれただけなのかもしれないぞ。と、何に対しても疑ってしまう私は悪い人なのでした。
 さて翌日。朝から晴れ。強い朝の光が天狗岳を染めてゆく。もちろん、木々に葉がないのが残念ではあるが、それなりに綺麗。まあやはり赤く染まる山はいいですね。そしてこれまた八ヶ岳のいいところですが、稜線がきれいに南北に延びており、手軽に山上に登れるということで山に当たる朝日夕日も手軽に拝めるというはナイスな環境ですね。小屋に戻り、朝ご飯を頂いてからのんびりと黒百合を後にしました。中山峠からガツンとダイレクトに下ってもまあいいが、せっかく晴れてるんだし、少しでも紅葉が撮れればと夏沢峠経由本沢温泉で下ることに致しました。
 空気も澄んでなかなか眺めの良い東天狗だけからは一度西天狗で行き、昨日の展望台を往復してからまた元コースに戻りました。東天狗〜西天狗あたりからの赤岳方面の景色が結構好きで、何というかこう、狭い空間にギュッと山が詰まった感じが絵的に面白いです。何岳かって言われると何岳でもない感じがいいと言いますか、まああまり見慣れない風景なのに絵的にまとまる感じが好きなのかもしれません。
 下り始めるとぐんぐんと進むのも八ヶ岳、天狗岳から40分程度で早くも夏沢峠である。根石付近ももちろん好きだが、箕冠山の平らな樹林帯が好きです。通るたびに、もうちょっと長く続けばいいのに、と思うのですが、2〜3分で終わってしまう短さ。コンパクトなのがいい場所ではあるが、食い足りないと思うのはこういうところだろうか。夏沢峠のナナカマドももちろん葉をすべて落としており、う〜む、この紅葉に出会えてなさは全く異常なほどである。下ればカラマツが増えてくるからなんとか秋っぽくなるかとも思うが、これはカラマツもだめなんじゃなかろうか。
 20分ほどで本沢温泉の野天風呂に到着。先客がおりましたのでいなくなるまで30分ほど待機しましたでしょうか。ちなみに私、ここの野天風呂には何度も来ておりますが、実は一度も入ったことがない。撮影だけであります。本沢温泉の内湯には入ったことはある。でも野天風呂って何だか面倒なので、どこでも入ってない気がするんですよね。高天原だって面倒だから入らないし、温泉じゃなくてお湯で髪洗えなかったりするので何だか興味をそそられないのです。大自然の中での温泉って気分いいって言うかもしれませんが、別に入らなくても気分いいし。。。どうでもいい話だが学生の頃、ポスターに誘われて青森は深浦の不老ふ死温泉に行ったことがあって、あの海岸縁で入る露天目当てで行ったはずだがいざ行ってみると本当に「何か違う」って思って内湯だけ入って帰ったことがあります。何ていうか、やっぱり髪シャンプーで洗いたいし。いやでもあれは真冬に行ったのが間違いだったという説もあるが。。。まあそもそも1泊行程の八ヶ岳なら、風呂入る必要もないよね?違った?

私は特に どこでもいいです

 下山口の稲子湯に着いたときはお昼を回っておりました。ここで何か食べられればいいものだがそういう感じでもない。とりあえずタクシーを呼び、待っている間に松原湖駅周辺で食べ物を調達できるかを調べました。駅近のドライブインは入ったことがあるのですが、あまりパッとしなかったので何かあればなぁ、と。調べると少し歩けば「高原のパン屋さん」というベーカリーがあるようだ。お隣にはスーパーがあるようだが、とりあえずは行ってからお腹に聞いて決めることとする。
 駅からは片道約1.3kmというところで、往復だと2.6km、どういう尺度かは知らないが3km超えなければもしものときでも挽回の余地があるだろう。とはいえ歩き始めてみれば結構な距離にも感じ、まだかまだかと大きなトラックが通り過ぎてゆく国道を歩いていった。こういう行程は本当に無駄だと思う方もいらっしゃるでしょうが、未知の場所はやはり歩くに限る。記憶にも残るし土地柄もよくわかってなかなか楽しい作業でもあります。やっとこさ目的地のベーカリーに到着、隣のスーパーの看板にデカデカと書いてある「弁当・寿司」というのはストロングゼロの「肉!現金!当たる!」くらいパワフルなもので惹かれるところもあったが、上品な私は上品なベーカリー派でございました。

 せっかく来たのに何だろう。
 ベーカリーに行くと
 私のチョイスはだいたい決まった構図である

 フランクロール
 クロワッサン
 あとはだいたい

 生クリーム、生クリーム、、、、生クリーム!!

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