Report

— 過去に発表した作品の取材レポート。撮影時の舞台裏を、約2週間間隔でほのぼの更新。

REPORT - 39
05 Oct 2018更新

2013年発行・雑誌「時空旅人」Vol.14-日本山岳史・「槍ヶ岳」

 

 更新が遅れてまして大変申し訳ございませんでござるの巻。一応「ほのぼの」更新ですので、予めお許しお願い致します。なんだかんだで毎回結構な文章量なので、ある程度お楽しみいただけるようにしっかり書かなくては、、、と思っているうちにストップしてしまうのかもしれませぬ。まあ毎度毎度下らない?感じでしっかりと書かなくてはならないので、殺伐とした気持ちのときはなかなか砕けた雰囲気が作れなかったり、と。
 そういえば「何でこんな下らない、ふざけた感じで書いてんの?」と言われる事もあるのですが、まぁまぁ。いつもはジャンル上、山岳の写真家としてお堅い文章ばかりになってしまうので、毎度真面目すぎてそれこそつまらなそうな、と思って。ちょっと緩い感じもいいのでは、ということでこんな感じで書いております。真面目路線すぎると好んで読んでくれる年齢層が上がりそうで、それはそれでいいのですが若い層がついてこないのもなぁ、と。いや、若い層が砕けてる、ふざけてるってわけじゃないですよ。一応年齢的にどちらの年齢層にも通ずる、ハイブリッド超氷河期世代と致しましてはどちらの層にも対応しようと頑張っているわけであります。時に真面目に、時にふざけて、そんな感じで楽しくいこうと思います。レポートはガッチガチの山岳写真をいくらかでも楽しく見られるようにと、ゲーテ「ファウスト」の前狂言みたいなものです。どちらが本当の私か、と言われたら、まあそりゃあ真面目ですよ。いや、ホントに。
 ところで前回から引き続き、相変わらずアキレス腱炎がまったく治らない。基本今まで生きてきてトレーニングでケガをしたことがないのでちょっと困っています。というかいつも気にしないでいつの間にか良くなってるとか、まあテキトーな感じなんですけど。そこまで追い込んで練習できるタイプじゃないし、う〜んこれの原因は何だろうと考えると、長期の山の取材のせいだったりするんですよね、たぶん。私、実はここだけの話、テレビでちゃんとした登山靴を履いてますが、普段はローカットの軽いシューズなんです。足首が固定されるのが苦手でして。。。冬はしっかりした靴が楽ですが、無雪期は走ったりすることもあるので固定系はダメです。そんで足首固定で長らく歩いていると、、、、痛くなるのですよ。でもテレビ出るときにローカットとかで来たら怒られちゃうし。まいったまいった。
 でもそんな状態ですが、先日は800mで2分1秒56。まあ1周目で勝利を確信したので、足痛くて2周目は落としては走ったわけなんですけど(本来ならやはり休んだ方がいいね)、そんなことより1時間半後の100mで11秒74で走れました(というか、これも本来なら休んだ方が、、、)。もしかして足が治れば11秒5台はいけるんでは、と今更ながらに燃えてきた。。。何ぶんスタートが遅く、遅いうえにフライング一発退場が得意技という短距離選手としてはどうしようもない私ですが、なんか夢見れた感じが致しました。でも40歳ですから、本当に今更。。。とにかく足を治すのが先決ですね。というか治す気があるのかないのか。今シーズンはあと1レース、大丈夫だろうか。
 さて、今回の写真ですが、2013年に発行されました、雑誌・男の隠れ家の別冊ムック「時空旅人」の「日本山岳史」という雑誌の巻頭グラビアからの出場です。一応この写真の撮影日が2011年の10月4日ということでありまして、実はちょうどだいたい7年前のこの季節という、そういう季節感も考えているわけでこのレポートにタイミングを合わせるために更新が遅れたりするわけです(言い訳)。
 ということで遡ること7年前。33歳かぁ、若かったなぁ。思い起こすとエネルギー溢れてて、元気だったなぁ。。。調べるとあの年の200mベストタイムが24秒38、、、って今より遅いじゃないか(今年は23秒49)。一体何があったんだこの7年間に。この写真の撮影の時は他雑誌のルポもコンボしており(流行りのダブルブッキングじゃないですよ)、いつも通り美人モデルさんを兼ねての山行です。いや、、、モデルさんね、、、このとき見つからなくて、誰もつかまらなくてですね、もうどうしようもなくなって自分がモデルになりました。。。
 なわけで、せっせこと歩いては三脚を立ててですね、セルフで撮って、歩いては三脚を立ててですね、、、誰かとすれ違うと三脚を構えて作品を撮ってるフリをするという、なんともお恥ずかしい。平日なのが助かった。。。朝に東京を出て、普通なら一気に双六小屋に行ってしまうのですが、セルフ撮影を考えると牛歩となりそうなので、初日は贅沢にわさび平で泊まることに。松本から平湯温泉へのバスに揺られ、よぉ〜し、頑張るぞ〜と山のほうを窓から除くと、、、、何だか白い。雪が降ったみたい。。。大丈夫かな。。。
 わさび平小屋泊、というのが実は結構楽しみだったりしました。というのもさすがに普通この位置で泊まることがないので、そんな贅沢いいのかしら?とセレブ気分です。まあ11月の末に新雪の雲の平から帰ってきて、閉じた小屋の前で寝たことはあるけど。。。ちなみにここは紅葉が綺麗なので、実は今年でも来週あたりがおすすめです。ちょうど「日本山岳史」ではグラビアでわさび平の紅葉写真も載せております。お風呂もあるし、標高が低いから寒いこともないし、新穂高から1時間だし、う〜ん、贅沢。初めて泊まるので、なかなかいい経験でした。ということで小屋に到着して到着シーンをセルフで撮る、という、小屋の人の「何やってのコイツ?」目線がつらい。
 翌日は朝からピーカン。さてと、一日かけて恥ずかしがりながらセルフ撮影で双六岳へと参りますよ。どうも天気はこの4日一日だけなので、しっかりと結果を残したいものです。6時半にわさび平を出発しましたので、有り難いことにしばらくは人と会いません。まあでもとにかくこのルートは本当に何度も歩いていますから、おっ、ここいいなぁみたいな感じで撮影ポイントを探すこともなく、モデル入り写真はこことあそこで撮ればいい、とかこなしていく感じでできるのがやりやすいです。といいつつも秋号ですのでなるべくいい紅葉の箇所で撮りたいところなんですが、あまりいい色が出ていない年でして、って前日雪降ってたし。なので、色づきがいい木があると三脚を立ててパチリ、いい木があると三脚を立ててパチリと案外進みません。でも夕方までに双六岳に行かれればいいので時間はたっぷり、余裕を持って歩けていました。展望は槍ヶ岳から登るにつれて穂高になっていくわけですが、いかんせん午前中の逆光なのでガッツリとはいきません。
 順調に進みまして午前10時に鏡平に到着、デッキに座って写真を撮ります。う〜ん爽やか。ここで小池岳彦さんと合流、コーヒー飲んだりして話し込んでなんと午後2時になりました。4時間もゆっくりしてたのかよ、、と言いたいですが、やっぱり鏡平は午後の日差しがいいですね。この辺りからはしっかり槍穂を写して行きたいので、時間的にはぴったりです。鏡平からは岳彦さんにご一緒いただきますが、さすがにここで急にモデルチェンジするわけにも行かず結局セルフ撮影です。三脚立てて、歩いてパチリ。一部始終を見ながら待ってるわけです、岳彦さんは。失笑しながら。
 途中白くなってきたライチョウを撮ったり、ほのぼの会話をしながら、時折セルフ撮影して進んで行きます。「しっかりいい写真撮ってよ〜」と言われるのですが如何せんセルフ、オーナーが見ているとあってはすごいプレッシャーが襲います。自撮りでいい写真って(笑)。双六小屋に着いたのは夕方4時。日の入りまで約1時間30分くらい、さすがに鏡平でゆっくりし過ぎたか。。。登頂を明日に引き延ばすと天候的に爆死しそうなので、休みを入れずに双六岳へと向かいました。岳彦さんにも無理を言って、双六小屋から一緒に登ってもらったという体裁で急遽出演してもらいました。
 山頂に着いた頃は結構な夕暮れ。やや雲があるものの、槍穂高もいい感じ。山頂で一緒に登頂の記念写真を撮影、これは雑誌にも載せさせていただきました。これも三脚立ててのセルフですが、さすがに一人ファインダーに入っていると撮りやすいのなんの。今までワンショットに何テイクもかけていたのに、一発で終わりました。これで雑誌のルポ的にはページが組めそうなので、ひと安心。ここからは夕暮れの槍穂高の写真に専念します。
 我々の他に一人女性の方が山頂にいたのですが、夕焼けを見る前に双六小屋へ戻ろうとしていたので、せっかくだから夕焼けは見た方がいいですよ〜とオススメしたのですが、晩ご飯に間に合わなくなっちゃうとのこと。間に合わなくなるって、、、今日はお客も少ない感じでしたし、何とか小屋は融通利かしてくれないのかなぁ。。。。って、横見たらオーナーここにいるし!!すかさず岳彦さんは小屋に連絡して、「お一人、晩ご飯遅れます〜」と。さすがです。こういうところがこの双六グループのすごいところで、とくに写真目的で来ている人には時間の融通を利かしてくれたりするんです。もちろん混んでるときは難しいでしょうけど、本当に助かります。
 ということで次第に日は暮れていき、暮れるにつれ山は赤く、双六台地は日陰へと変わっていきます。台地にバッチリ光が当たっている夕方も綺麗ですけど、次第に陰のラインが台地を隠していく感じも素晴らしい。さらに今回はいい感じの雲も流れていたので、槍の穂先と雲の位置を見計らって絵的によさそうなタイミングでパチリ。というのが今回の写真です。ダイナミックでありつつも情緒的で、よし!という感じですが、隣で岳彦さんも三脚を立てて撮ってましたので、同じような写真を持っているかと。。。
 しかしながらこうして岳彦さんと三脚を並べて撮れたというのは、私としても感慨深いものがありました。本当に何度もこの界隈では撮影をしてきましたし、思い出もいっぱいあります。何せこの時から8年前、その時もすばらしい夕方になりそうだ〜、と急いで反対側の樅沢岳に登り、撮るぞ〜撮れるぞ〜気合い入れてけ〜と息を思いきり切らせながら超スピードで駆け上がってみると、一番のベストポイントに岳彦さんのお父上、潜さんがデデン!と構えておりまして、、、、私は端のほうで変な体勢で三脚を立てて撮った思い出があります。私だって何度もこの界隈を撮っておりますが、小池さん親子はその何倍もこの界隈を撮ってますし、しかし私を含めてそういう人たちが何度撮っても、やっぱり惹かれる景色なんですね。8年経っても、まだここで撮ってる。いやぁ、2011年からまた7年経ってますけど、やはりまだ撮ってる。そしてその景色をずっと、こうして親子2代で撮ってる姿を見ることができて、何だか嬉しい感じでした。

翌日は、やっぱり朝から雨でした

 いや〜本当に昨日のうちに撮っておいてよかった。夕方が結構よかったので、朝までぼちぼちもっちゃたりするんじゃないかとか余裕ぶっこいてましたが朝から雨でした。しかし、こうなると下るだけですし、セルフ撮影で足を止められることもないので気が楽です。
 とりあえずそれから一年後、この時のセルフ撮影は無事記事にすることができました。また秋に双六小屋にお邪魔したのですが、そうしたらたまたま来ていたお客さんがその雑誌の私の双六ページだけを切り取って持ってきてて、「これを見て、この景色が見たくて、アルプス初めてだけど来たんです!!」と。面倒でしたがセルフ撮影の苦労が報われてよかったです。。。


 で、そのあと、

 客「この記事がすごいよくて〜」
 私「ありがとうございます。」
 客「えっ?」
 私「えっ?」
 客「この景色とかいいですよね〜」
 私「そうですよね〜。ちなみにそこに写ってるの、私です。」
 客「えっ?」
 私「えっ?」
 客「これ?」
 私「それ」
 客「・・・・違うっしょ」


  いや、そうだって!!

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