Report

— 過去に発表した作品の取材レポート。撮影時の舞台裏を、約2週間間隔でほのぼの更新。

REPORT - 46
15 Feb 2019更新

雑誌「自治体ソリューション」・2018年2月号「蔵王樹氷」


 さて皆様、先日新しくしました「Exhibition」ページ、いかがでしたでしょうか。本来はキリ良く今年の1月から始めるのがよかったかもしれませんが、たぶん。。。いろいろと立て込んでいたのかようやくスタートできました。今まで「New Arrival」を楽しみにしていてくださった方もいらっしゃるかと思いますが、たぶん。。。内容は「Exhibition」のほうが見ごたえがあるかと。今後月イチで更新してまいりますのでお楽しみにお待ち下さい。
 新しく作りました「Exhibition」は所謂グラビアページでございます。毎月何かのテーマを設定しまして、そこからイメージを写真で構成していきます。時にはひとつの山のときもありますし、漠然とした大きなテーマを絵で補っていく、という場合もあります。おそらく、、、多くの方がスマホで見ておられるかと思いますが、一応タブレットかPCで見た方がまあ格好がつくかと思います。写真てどんなにいい写真でもちっちゃいとイメージだいぶ変わりますから。
 また、写真とは別に「テーマ」につきましてもお楽しみいただけたら。ただ山きれい〜、山かっこいい〜、山っていいな〜で撮っているというわけではなく、裏ではこういうのをイメージしていたり、考えていたり、と絵の美しさだけでない何かを感じてもらえたらと思います。山岳写真ってお堅いイメージがありますから、時には深く、時にはちょっとポップにしてみたり、と色々やってみたいと思います。っていうほど先のこと考えて始めていないので、、、汗汗汗。とりあえずはちゃんと続くように頑張りますので生やさしい目でよろしくお願いします。何で「Exhibition」を始めたかって?そりゃあもう今どき雑誌でグラビア載せても結局誰も見てないからとにかく多くの人に見てもらったほうg…な、なにをするんだ、ちょっとまっ…うわなにをするやめrくぁwせdrftgyふじこlp
 はい、今回の写真ですが蔵王の樹氷でございます。手前をボカしたりしていつもとはちょっと趣の違う写真ですが、「山の面影」という連載でしたのでこういうちょっと雰囲気のある写真を使用致しました。もちろん写真と一緒に書いた文章もそういう雰囲気がちょっと伝わるような感じで書いていたのですが、ちゃんと書けてるのかどうか。
 最近よく文章を褒めていただくことがあるのですが、本人は正直あまり文章が上手く書けているとは全く思っておりません。上手い人の文章って本当に綺麗だし、現場や心情を細かくなぞるような書き方をするんですが、くだらないワードばかり覚えてしまう私にはそういった語彙力はないし、何というか音楽が好きだから詩的とかそういう感じのイメージはいくらかできるとは思うのですが、ダイレクトに言葉を使って表現するというのが苦手です。何でも論理的に考えようとしてしまうのがいけないのかもしれません。論理的に考えてしまうので、文章を書くときはこれから書くこと書いたことを分解して解釈して自分の伝えたかったことがちゃんと書けているかどうか、その伝えたかったことが間違っていないか、などを整然と把握しないとなかなか進まないので、いっつも筆の進みが遅く、グワーッとなってもうダメだ〜って言って走り行ったりウェイトしにいったりしちゃいます。で帰ってくると疲れて頭が動かない。。。何とかならんかなぁ。
 さて写真の撮影は2010年2月22日。冬の蔵王にはすでに何度も足を運んでおり、たしかこの時ですでに4回目くらい。フィルムからデジタルへの本格的な移行期でもあり、デジタルでもしっかりおさえておかないと、ということで入ったような。と言いながらまだ移行期ではあったのでフィルムのでかいカメラも持って行っておりましたけど。ちょうど移動性高気圧が乗っかるということで前日の21日から出かけ、山形へと向かいました。
 21日は夕方からうまくいけば晴れてくると思いましたのでぼちぼちの時間に家を出発、お昼すぎに山形駅に着きました。山の方を見ると天気はまだ回復しておらず雲がかぶっている模様。とりあえず間髪入れずにそのまま20分後に出発のバスに乗って蔵王温泉へと向かい、ロープウェイの乗り場までスムーズに来たのはいいのですが、、、まだまだ雲は多く、果たして晴れるのかといった感じ。このとき午後2時すぎ、日の入りは午後5時20分くらいなのでロープウェイ代を無駄にしないように慎重に待機することにしました。いや、気合い入れて樹氷のある上まで行っちゃってもいいんですが、あと3時間くらいでは取れなそうな雲だったのよね。
 ということでライブカメラを見つつ、麓のゲレ食で時間を潰しました。稜線のライブカメラがあるわけではないので正確にはわからないのですが、今現在すぐ近くにいるというのにライブカメラを確認するというのもなんとも不思議というか滑稽な感じがいたします。いや〜しかし、ここのゲレ食もだいぶ変わりました。それこそ初めて来たときはもう20年くらい前になるかと思いますが、いかにもゲレ食、これちょっと工夫すれば注文するのにこれじゃあ無理に注文しようとも思わないよね、、、、、なんて思っていましたけど、すっかり変わったものです。そう、ちょっとしたことでもほんと気持ちが変わるというか、食器がちょっとおしゃれなだけで美味しそうに見えるし、厨房の人もおそらくバイトだろうけどシェフコスプレ(って言ったら失礼か)してるだけで店の雰囲気って変わるし。こういうのって大事ですね。なわけで結局定番ですがカレーを食べながら待機。したけど結局すっきり晴れなかった。とりあえず一度山形へと戻り、ビジネスホテルに泊まって翌日出直す事といたしました。
 翌22日は朝から快晴。駅に向かうところからすでにこれから向かう稜線がくっきり見えていて気分もグー。再びバスで蔵王温泉へと行き、ロープウェイ初便で一気に稜線へと向かいます。なわけで朝8時半ごろからスタート。まずは山頂駅の展望台に向かい、地蔵山山腹の樹氷を撮影。まだ逆光ではありますがとりあえず。なんだかんだでこの周辺ではここが一番樹氷も大きくて立派なので、ここはおさえなくてはなりません。ということで最終的には戻ってきて夕方の撮影はここで、となります。それまではぼちぼち熊野岳の方などを歩きながら撮影していきます。ちょっと気温が高いのが気になるところで、月山がやや霞んでいました。夕方になったらいくらか氷が融けて樹氷が弱くなっちゃうかも。。。
 まずは地蔵山へと上がっていきます。ここに上がっちゃうと一気にまとまった樹氷はなくなるのですが、樹がなくともエビのしっぽが至るところで発達しておりますので絵に困ることがありません。エビのしっぽだけだとちょっとつまらないけど、背景に特徴的な山容の雁戸山や大東岳がなかなかいいアシストをしてくれる。ここから東側の樹氷原もぼちぼち綺麗なんですが、モンスターというほどの発達はしていない。これも全部モンスタークラスになっていると嬉しいんだが、、、って昔はそうだったんだろうなぁ。
 樹氷、というと世界でも稀な現象で、日本でも見られるのは八甲田、八幡平、蔵王、西吾妻くらいなのですが、まあさらに細かいところを入れると森吉山とか苗場山とか武尊山なんかもある。しかし苗場山、武尊山はちょっと気温が上がると形成されないので確実にできるというところではない。100年位前は北海道ほか草津四阿あたりでもあったらしく、年々減少していって今のエリアになっている。とはいえそのエリアでも見られる標高は上がってきており、この先どうなることやら。ちなみに気温が上がり続けてとか雪が少なくなっていく過程で最後に残るのはこの蔵王らしいのだが、その蔵王が現在キクイムシの影響で肝心のアオモリトドマツが立ち枯れしており、氷がつかなくなってきてしまっているという厳しい状態。心配であります。
 地蔵山を過ぎると、最高峰熊野岳の眺めがよくなります。この辺りからの熊野岳が好きでいっつも撮っていますが、無雪期はなんてことのない丘のようにも見えるんですね。雪が付くとほんっとに真っ白で印象がだいぶ変わります。もちろん手前地面のエビのしっぽも影響してるんだろうけど、だいぶ威厳が備わります。特に西側、蔵王沢のところのガレが真っ白になっているのが痺れます。ハァハァ言ってしまいます。
 ここからは今度はシュカブラ。熊野岳の北斜面に結構発達したものがあるので崩さないよう近づいて撮っていきます。本当は背景西側に飯豊方面を入れ込めるのですが、、、ちょっと霞んでおりまする。もっとすっきり晴れているといい絵になるんだけどこればかりはしょうがない。でもここのシュカブラはいつもキッツイのができるから、撮り直しもできますね。ここからは熊野岳に直登して、お次は御釜の撮影へと向かいます。
 何でしょう、どかーんと大きい御釜。これもなぜか冬の方が格好良く見えるという不思議。夏よりひと回りほど大きいような。。。真っ白だからでしょうか。でもこれだけ撮ってもあっけらかんとしてつまらないので、雪原を歩いてエビのしっぽやら目印になるものを探します。シュカブラもあって、エビのしっぽと御釜、シュカブラと御釜と撮りましたが、御釜の雪面も平たいだけに、立体的なエビのしっぽとの組み合わせの方がいい感じになりました。この辺り、人影が全く見当たらないのでなかなか気分がいいです。あっ、平日だからか。。。ということでここから刈田岳まででもいいから先に行きたいですが、この時は夕方の樹氷撮影のために早めに引き返しました。
 午後1時ごろに地蔵山頂駅に戻りまして、こちらも新しくなったゲレ食を堪能しつつお昼休憩。どうでもいいがたしか担々麺。食べているときに撮影依頼の電話が入って、明日出発で西穂に行ってほしいって、って何で今言う?いやたぶん間に合うんだろうけど、今山形にいて今日深夜に帰る、明日荷物まとめて午後に出る、まあ間に合う。どうなんだろう。とりあえずこれから夕方の樹氷を撮ろうとそれだけに集中していたところでしたが、間に合うのかな、間に合わないのかな、なんて思いながら撮影する羽目になりました。何せ電車使いなので、新幹線はいいとして自分ではどうにもできないダイヤを気にしてしまいます。やっぱり車の免許を取った方がいいのかもしれない(この時から9年経ってますけど)。
 さて、少しづつ西日となってまいりまして、撮影の頃合いとなってきました。まずは展望台から撮らずに樹氷原に潜り込んで合間から撮影。このときに撮った写真が今回の写真です。午前中に撮ると当然逆光になるので、それはそれでいいですが、しっかりと雪のディテールを出すには午後がよいかと思います。
 樹氷はどれも迫力あってきれいですが、その中でもとくに絵になる樹氷を探すのがポイントです。もちろん1本だけでなく、となりの樹氷もいい形してるとか、2本合わせて型ができてるとか。何でしょうね、石像や彫像をイメージするとわかりやすいでしょうか。東大寺の金剛力士像の風を思わせるものを探して、そう思わせるように撮るとか、、、わかりにくい?じゃああれだ、ライガとフウガ。あー違う、立ったまま息絶えてるバージョンじゃなくて初登場シーンのやつ。
 夕方になりまして山頂駅の展望台に移り、西日の感じが強くなってきたところを撮っていきます。東側の樹氷原から次第に日陰に入っていき、西側の地蔵山山腹もだいぶ傾いた陽に照らされていきます。やはりよ〜く見るとちょっと氷の付きが衰えたような。そりゃあぼちぼち暖かかったし、現に今もがっつり夕日というよりかはやや春を思わせる日差しでした。ですので、キリッとした空気と光が樹氷を染めたわけではありませんでしたが、ポワ〜んとした優しい光もまたいい雰囲気でした。最後の最後、午後5時手前で樹氷原の1本だけに光が残り、ゆっくりと日が暮れていきました。

樹氷、そこは最後のフロンティア

 ロープウェイを降り、定番の玉こんにゃくをひとつ食べながら蔵王温泉バス停へと下って行きました。実は翌年もまた足を運んだのですが、それから冬の蔵王はちょっと遠くなっております。しかし、、、立ち枯れ状態からどうなるだろうか。刈田岳から杉ヶ峰の状態は見てないからわからないが、迫力のある地蔵山の樹氷は当面厳しそうだ。先日知人から今年2月5日の写真を見せてもらったが、結構重症だった。今年は西吾妻山の樹氷もちょっと雪の付きが弱いし、八甲田山、八幡平くらいかなぁ、頑張ってるの。でも人によるんでしょうけど、樹氷って撮っても撮っても飽きなくて、いくらでも何年経っても撮っちゃうんだよなぁ。何なんだろう。
 山形駅から新幹線に乗りこみ、明日また出かけるから寝た方がいいんだろうけどレンタルしてスマホにダウンロードしておいたスタートレックを見ながら帰りました。そういえばこの頃はまだスマホを持っている人って少なかったような。時が経って極端に、今やほとんどがスマホで済ませられる時代。それがいいことなのか悪いことなのか、なんてことは置いておいて、どういう風にライフスタイルは変わっていくんでしょうね。

 とりあえず、やっぱりピカード艦長が好きです。
 船は遮蔽装置のついたU.S.Sディファイアントが、欠点ありまくりだけど好きです。

 いや、ピカード艦長が好きって、それはパトリック・スチュワートが好きなだけなんじゃないか?
 いや、実はそれは麦人が好きなんじゃないか?

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