Report

— 過去に発表した作品の取材レポート。撮影時の舞台裏を、約2週間間隔でほのぼの更新。

REPORT - 33
05 Jun 2018更新

雑誌 グリーンパワー・2017年5月号掲載写真「岩木山」

 

 5月後半は思った以上に天気の巡り合わせが悪く何日かぽちぽちと晴れることはあったものの、連続して晴れなかったので遠方の撮影をキャンセルせざるを得ないというなかなか厳しい季節となってしまった。何とか6月は、と思うがいろいろ予定がある上に梅雨だからなぁ。。。
 ちなみによくあることなのですが、「えっ?○日は晴れてたけど?」と言われることがあります。しかし、本官にとってはぼちぼち、ではダメで、がっつりアホみたいに晴れ!じゃないと晴れとは言わないのであります。ダメなカルボナーラを見ただけでダメだとわかる、海原雄山であります。いや、あれはさすがに料理人がダメすぎなような。。。
 そんなフラストレーションをどこで解消してるかというと、まあご想像通りトラックでして。。。先週はとあるレースで800m第二戦、走ってまいりました。
 前回は久しぶりの800mレースとあってうまく走れなかったのですが、今度はいくらか修正して1分59秒25の大会新記録でございました。まあ地方記録会なので、大会新記録と言われてもあまり意味はないのですが。。。ちょっと嬉しかったり。とりあえず2位に3秒差と、「圧倒的じゃないか、我が軍は!(ギレン)」という感じですが、目標としているマスターズ陸上40~44歳の日本記録には3秒差と、「あ、圧倒的じゃないか、、、(アムロ)」となるのでまだまだでございます。
 しかしながらあと3秒、何とか頑張っていきたいです。正直今年は1分57秒までは出せる感じはあるんですが、それでもあと1秒足りない。超サイヤ人化するか、誰かとフュージョンしないと厳しい。時間を止める、というのも考えましたが、止めてる間に休んでると思うとただのズルですね。あと、誰か他に止めた時間の中を動ける奴がいることもあるし、時間止め終わった直後にそいつから時間止め、とかいうよくわからないことをされかねない。世の中油断ならんので、正直に頑張ろうと思います。
 そういえばマスターズ陸上の全日本大会、来年は群馬だそうで、今年は鳥取だから遠すぎて行くかどうか悩んでましたがなんだか来年に回しそう。全日本大会といっても形だけでして、各地の予選を勝ち抜いてきたとかではなく、誰でも参加できるという何かちょっと中途半端なものなわけで。優勝してもあまり価値ないし、やはりここは日本記録を出さなければ。まあホントのところ、日本記録ですら年齢限定な訳だからあまり意味はないようなところもあるんですが、、、。ちなみに鳥取って先月伯耆大山に行きましたが、陸上大会のために行くのなら前泊はもちろん飛行機で行く所存です。撮影、登山が夜行バスなのに、一体何やってんだか。
 さて、って前置き長すぎてもはや撮影レポートなのかどうか。今回の写真ですが、森林文化協会発行の「グリーン・パワー」で掲載しております連載からのものです。こちらの撮影は2012年5月31日。もう6年も前になるのかぁ、歳取るわけだ。
 何やかんやで何度も足を運んでおります岩木山でございます。好きなんでしょうね。青森というと、夜行バス・ザ・パンダ号、と思われるかも知れませんが、この時はそんなことはなく、その手前の秋田で滝の撮影もしたい、ということで象潟で立ち寄りしてからの青森入りです。といいながらその象潟までは夜行バス・ザ・ドリーム鳥海号なので、まあ結局夜行バスなわけです。体に悪い。
 ここ最近はちょっと遠ざかってしまっておりますが、ひと昔前は滝や渓谷の撮影も好きで結構撮っており、新緑や紅葉の時期を中心によく出かけておりました。特に滝は山と通じるところもあり、キャラクター色が強いという点で似通ってるかと思います。この滝は男性的とか、女性的とか、ゾックみたいとか、まあ昔からご神体化された滝もありますので山と同じくキャラ化して見みていたりするんでしょう。(適当
 この時は鳥海山麓の元滝でして、この時で3度目、、、というどれだけ好きなんだよと言われそうですがまあ久しぶりに撮りたいと思いまして、岩木山の前に立ち寄りました。ですので結局夜行バス利用ではありますが象潟から弘前へと移って二日目ということで、気力、体力ともに余裕を持ってメインの撮影に望みます。と言っても登らないしほのぼの撮影なので体力いるのかどうか、ほぼ観光じゃないかというところですが。。
 早朝に弘前の宿を出ると空には結構雲が広がっております。そろそろ梅雨ということもあり、湿気もかなりあっていよいよこういう季節なんだな、と思いました。朝からすっきり晴れてくれる方が精神的には望ましいのですが、あとは天気図を信じて青空が次第に広がってくることを祈るのみです。それと、その青空がどれだけ持つか。夏も含めてこの時期あたりからは「晴れ」と言っても山には雲が湧きやすいので、天気図だけでは読めない運頼みみたいなところがあります。のどかで平凡と言ってしまえばそういう季節なんですが、しっかりと写真に収められるかというと、実は一番不確定だったりするのです。
 弘前の駅から五能線に乗り鳴沢駅で下車、前日に予約しておいたタクシーで菜の花畑へレッツゴー。この時期のこの辺りは菜の花畑が有名なのですが、そもそもこれはジャガイモ栽培の連作障害を防ぐために作付けしているので年によって場所が変わったりします。ということで車でぐるぐる回るよりタクシーにお願いした方が早いと思いますが、私はただ単にそれしか移動手段がないだけなのかもしれません。
 鳴沢駅から10分〜15分くらいだったでしょうか、静か〜な、映画のワンシーンのような嘘みたいな広い菜の花畑の前にタクシーが停まり、車から降ります。もうね、寅さんの冒頭の夢シーンみたいな感じ。畑の端には小さな小屋がひとつぽつんと建っており、本当にどこなのここは、という印象。何よりも良かったのは、着いたのが7時半くらいでしたが誰一人いなかったこと!こういう撮影地だと三脚が並んだりして(自分もその一人だったりするわけですが、、、)雰囲気が殺気立っていたりするわけですが、そういうの一切なし。。。クララ、クララが立ったわ!みたいな足取りで心打たれながら菜の花畑に一歩を踏み出したわけです。結果的にここでは2時間半ほど撮影をしておりましたが、その間も観光客が2人来た程度で本当に現場を満喫できました。
 朝方空を覆っていた雲はなんとか取れ、まだ少し湧いているものの青い空が広がりました。黄色の広大な絨毯に青い空、そして岩木山。興奮して撮影していると思われますが、案外弱い風が吹いても菜の花が揺れ動いたりしていますので、しっかりと頃合いを見計らってシャッターを切ってます。風で動いている感じというのもいいのですが、それはそれとしてピタリと止まった写真は撮らなくてはなりません。また、写真だけ見ていると「また上手く撮ったね〜」って言われそうですが、本当に遠くまで一面の菜の花畑なのですよ。年によっては電線が目立つ場所のときもあるので、この年はそういう点でもグッド!でした。
 しかし、岩木山はよく撮りにきていますが、一体何なんでしょうね。こういう独立峰だとマイ独立峰の筆頭に上がるのは間違いなく利尻山でございますが、そう簡単に毎度利尻に行けないフラストレーションを解消するためなんでしょうか。いやぁ、でもそうでもないんですよね。岩木山の美しいと思うところは、きれいな裾野を広げる独立峰でありながらも控えめなところだと思うんですよね。天を突く頂を持つ存在感のある山でありながらも周りとの調和を保つというか、だから桜と組み合わせても、りんご畑でも、菜の花でも、街並みでも、主張しすぎずに自然とそこにあるまさにふるさとの、という感じなんですよね。これが利尻山だと、もちろん利尻山大好きっ子ですけど、主張しまくりというかもうビグ・ザムみたいな感じでしょう。脚の部分が海に入ってますが。そうなるとどーしてあんなドズル・ザビからきゅんきゅんカワイコちゃんのミネバが生まれてくるのかがわかりませんが、「受け止めなさい、バナージ」のシーンはそれこそミネバの為なら死ねる、と一瞬ですが思ってしまいました。
 脱線しますた。そんな魅力が、岩木山にはあるような。おそらく山の大きさなんかもそういうのと関係していると思うんですよね。これ以上大きくて山脈を形成しているようだと、見えている山=あちらの世界、みたいな感じになって山と里がディバイド、分割される気がしますし、その分割を感じさせない絶妙な大きさと言いましょうか。そんな美しい風景を眺めていると、撮影が終わっても離れがたくて。いや、結局離れましたけど。
 ここからまたタクシーを呼んでもいいのですが、また帰りも夜行バスということもあって急いでいないので、岩木山を眺めながらぼちぼちと歩いて鳴沢駅へと戻っていきました。だいたい5キロくらい、慣れてない土地を散歩するのは大好きで、撮影と直接は関係ないのですがこういうのは大事かな、と思っています。ただきれいな写真を撮って移動、というのではなく、やはり現地とできるだけ触れ合うことで愛着が湧いてくるのもありますし、地形などをより体感できるというのもあります。
 鳴沢の駅に戻りまして、近い時間にバスがありましたのでそれで鯵ヶ沢へ向かいます。これといって鯵ヶ沢に用事があるわけもないのですが、まあ昼食と、ここも何度か来ているので頭の中の思い出を探ったりする徘徊がてらの寄り道です。この時何食べたかまではさすがに覚えていませんが、どうせたこ焼きとかラーメンといった類いのものでしょう。現地と触れ合うとか言った割にはこの辺りに詰めの甘さが出てしまっていますので、今後はもうちょっと食事にも気を配っていこうかと思います。いや、決して現地の旬のものを食べないとかいうわけではないんですよ。朝食べてから昼過ぎまで何も食べないで動いていると、頭の中にはついついラーメンが浮かんできてしまうのです。

岩木山、ふたたび

 鯵ヶ沢から弘前へと戻り、夜行バス発車までまだまだ時間がありますので帰るまでにもう一ヶ所、寄り道をしていきます。弘前から弘南鉄道に乗って平賀駅で下車、タクシーで志賀坊森林公園に行きました。志賀坊は街並を見下ろす高台にありまして、岩木山の眺めもいい場所です。この季節だとちょうどいい感じの方角に太陽が沈んでくれまして、沈みゆく太陽と岩木山が撮れるわけです。というか雲が結構湧いていて岩木山見えなかったんですが。。。ありゃりゃ、往復のタクシー代が。。。と思っていましたが、日が沈んだ後にいくらか雲は取れまして、なんとか岩木山の美しいシルエットが浮かび上がりました。
 見下ろす市街地にはポツポツと灯りがともり、さきほど言ったような何とも言えない調和のある風景が広がるわけです。すごくいいシチュエーションという訳ではありませんでしたが、なんだか心に染み入るような、いい景色でした。菜の花畑が目的で訪れた撮影でしたが、最後の夜景の方がなぜか思い出に残っておりますね。作品を作り上げていく行為と、なんというか「日常」みたいなものは別のようです。作品も思い出ですが、思い出というものはもっと大きなくくりのようです。
 さすがに青森、この時期でも日が暮れるとなかなか肌寒いです。自販機のあたたか〜いコーヒーを飲みながら弘前へと戻り、いつものパンダ号にて東京へと帰っていったわけです。


 パンダ号に乗る前に晩ご飯を弘前で食べたと思うのですが、これまたよく覚えていない。
 地理地形気候の覚えはいいのですが、本当にご飯の記憶が悪い。
 たぶん、さすがに晩はラーメンではないと思われる。
 が、ラーメンの可能性も捨てきれない。

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