Report

— 過去に発表した作品の取材レポート。撮影時の舞台裏を、約2週間間隔でほのぼの更新。

REPORT - 26
04 Feb 2018更新

山と溪谷2017カレンダー・季節の山めくり「谷川岳」

 

 寒い日が続きますね、この頃。これだけ寒いというわりには積雪が格段に多いわけでもないという、今冬。もちろんドカ雪のところもあるのですが、相変わらずたいして増えていないところもあったり、なんとなく不思議です。
 というわけで、というわけでもないんですが、現在北海道にやってきております。このレポートを書いて現地でアップするわけでもなく、帰宅してからアップするんだからどうでもいいことと言われるとどうでもいいんですが、、、そんなに寂しいことは言わないでください。まあ、というかこう現地での空気感とか、その(以下略
 北海道といっても平地でこざいまして、山を撮りには来ていますが登りに来ているわけではありません。なので楽、かというとそうでもなくて、麓から撮るのも案外大変です。いや、もしかしたら車の免許持ってないから大変なのかもしれない。。。で、でも写真は足で稼ぐんだからねッ!といっても本当に足のみで行動するという意味でもないだろうに、毎日10何キロ歩いたり、まあランニングだったら楽なんですが、荷物背負って雪の道路を黙々と、、、って、現地の人でさえ歩いてる人なんか誰もいないではないか!
 さて今回の写真ですが、2017年の週めくりカレンダー、2月26日〜3月4日の週にて使用しました谷川岳の写真です。以前も冬の谷川岳のレポートをかきましたが、それはこの谷川岳の2週間前の出来事。2週間前にいい感じで撮影ができたので、その波に乗ってみよう!というわけでもないんですが、そんな感じでまた谷川岳の撮影へ行きました。とはいえとくに珍しいことでもなく、谷川岳は学生の頃から何やかんやでよく歩いており、雪が多いのに近い、ということから馴染みの山でございます。
 撮影は2011年の2月23日。2週間前はだいぶ苦しめられた雪も気温が高い日がぼちぼちあったので、もうかなり締まってると思われる。天気図を見る限り2日とも晴れちゃいそうなので、これは行かない手はない、とそそくさと出かけました。
 早朝に東京を出て、天神平は9時半スタート。まずは哀しいかな、ゲレンデの横端を登っていきます。これ、昔はリフトに登りも下りも乗せてくれたんだけど、、、と毎度登るたびに思うが仕方なし。ただし、兎にも角にものっけから天気がいいのでリフトなどどうでもよい。あまり良すぎても冬らしさがなくなってしまうのも少々アレだが、がっつり冬らしいのはその先日に撮っているので、風もなく、快適に撮影が楽しめそうなのはなにより。冬は冬らしく、厳しい環境で撮るに越したことはないが、厳しい環境だとあれやこれやとのんびり、かついっぱい撮れるものでもない。今回のように撮れる時に撮れるものをいっぱい撮る、というのも大事なことである。環境に関わらず、構図で勝負できるならなおさらである(本当かよ)。
 最近ではリフターを立ててスノーシューでぐんぐん行きますが、この時は何もつけず。十分雪が締まっていたのでこれといって苦労もなく上がっていきました。風がなく、ぽかぽか。なのにぼちぼち空気感がよい。BCヤーが数人いましたが登山者は皆無、トマの耳から先は誰もいませんでした。最近はすっかり人気の雪山となってしまい休日の天神尾根は敬遠してますが、昔はBCヤーもほぼいなかったし本当に静かだったのですよ。人気が出ることは悪いことではないですが、人気の場所に一極集中してしまうというのも案外考えもの。いいところってまだまだかなりありますので、じゃあどこだよって言われたら教えなかったりしますけど。。。
 いつもながら、山頂から見る俎嵒が格好いい。雪がつくと本当に山肌がきれいで、ハワーッとついうっとりしてしまいますわ。とりあえず余計な荷物を肩ノ小屋に置き、先に進みます。今回は朝夕ともトマ周辺で撮る予定なので、あとはフリーで気ままに歩き回ります。これもこんな陽気だから成せる技。
 まずはオキノ耳に行く前に翌朝撮影カットの下見を済ませ、だいたいこの辺りから撮るとかをマーキングします。マーキングといっても雪面にわかりやすく足跡付けるぐらいで、別におしっこかけたりするわけではございません。オキノ耳を過ぎるとギザギザに雪庇をつけた一ノ倉岳がドスンと。雪がない時期とは大違いで、風格があります。一ノ倉岳からの、この雪庇と谷川岳もいい絵なんですが、夕方は自分が歩いてきた足跡が目立つのと、朝は一ノ倉沢側に日が当たるわけなんですが、この一ノ倉の岩壁が急斜面のために、絵の割合では緩やかな新潟県側の斜面が多くを占めてしまってヨコ写真が撮りにくい。もちろんタテ写真は撮れるんですが、このあたり、もう少し研究したいと思います。それよりも、もう少し進んで茂倉岳の方へ向かうとだんだん新潟県側の斜面を対面に見るようになり、双耳峰の形も相まっていい感じになります。ここ、ベターっと夕日に染まったらそれは綺麗だろうなぁと思わずヨダレがこぼれる訳なんですが、ちょっと緩やかすぎるのもあって、手前にシュカブラ何かがあって欲しいところ。夏はコバイケイソウ、秋は草紅葉で絵が作れるのですが、こんな陽気の冬はちょっと暇な感じが出てました。もう春も近い、そんな感じが致しました。武能岳、蓬峠の方を見ては、ああ、あそこまで歩いてしまいたい、と想いを馳せましたが今回はここらでお開き。肩ノ小屋へと戻ります。
 本当に何も起こらない穏やかな日で、風が吹くでもなく日が暮れていきました。ちょうど主稜線にまっすぐに日が沈み、その奥にはくっきりと北アルプス後立山が見えるほどの空気感。毎日こうだったらいいのに、と思いましたが、シュカブラがグワッという感じじゃなくてテロテロにとろけてるのを見ると、これはやはりダメだな。山になじみがないとシュカブラって何かわからない人がいると思いますが、これはノルウェー語で、まあ、直訳するとチュパカブラと同じようなものだと思ってくださって結構です。
 夕日を撮り終えると小屋に戻り、晩ご飯の支度。水は冬山では雪から作るんですが、こういう1泊ものは面倒なのでだいたい下から持参しちゃいます。さすがに何を食べたかまではドクター中松ではないので記録をつけておりません。まあ私は撮影になるべく時間を割くために食事は簡素で、基本調理致しません。なのでクッカーもお湯を沸かすだけに使用するので、新品同様でございます。たぶんどうせ晩はレトルトの何か、朝はカップラーメンとかそんなものかと。歳をとるにつれ朝は脂っこいカップラーメンが入りにくくなり、あっさりしたうどんとかそばになったのですが、そういえば最近はまた脂っこいカップラーメンもいけるようになったので、歳は結局関係ないんだろうか。夜は星空などを少し撮影して、ぬくぬくと暖かい寝袋で寝ました。だいぶ昔にはじめてこの小屋で冬に泊まったときは夏用の寝袋だったのですが、さすがに寒かったなぁ。あの時は何でも若さと明るさだけを頼りに乗り越えてた気がします。あれから40年、今はサプリメントが頼りです。
 さて翌朝。6時20分ごろに日が昇りますが、6時には撮影ポイントにて待機。といっても小屋から10分ほどの距離ですので、こういうのは気が楽で助かります。日が昇る前の静かな雰囲気というのは、本当にいつ見てもいいものです。音がないというか、別に普段騒がしいわけじゃあないんですが、張り詰めた感じが好きです。といっても日が当たり出すとこちらも忙しくはなるので、そういうのも含めてなんでしょうかね。なんというか、まだ冷静な気持ちでシャッターを切れるというか。日が昇ると赤から黄色、白と刻々と色が変わっていき、日の当たるラインも動いていくので、撮れッー!撮りもらすなッー!ミスするなッー!構図確認ッー!照準を定めてッー!発射ッー!!とかなんか軍隊みたくなってきます。
 そこまで盛り上がってたわけではないですが、まあそんな朝に撮ったものが今回の写真です。もう少し手前にチュパカブラとかがついているともっと格好良いのですが、まあとりあえず。カレンダーに使っておいて申し訳ないのですが、シュカブラ具合とかそういうのもあって自分の中では及第レベルでございます。何とかこれからの人生で少しずつ、満点に近づけていかれればと思っております。ちなみにこのトマの耳山頂の右手には、よく見るとしっかりと富士山も見えております。

いつも間に合うと思って生きてきました

 朝日の撮影からそのままぼちぼちと撮り続け、荷物をまとめて下山したのは9時50分ごろでしょうか。天気も昨日と同じ感じでまるで一周したかのよう。となると往復コース、同じようなカットしか撮れないのもあって一気に下っていきます。麓から上毛高原行のバスがたしか10時40分ごろ発なので、これは間に合わせたい!と思わずスピードもアップ。無雪期に比べると道がほぼ雪で埋まる冬は歩きやすいどころではなく、ともかく足元考えずに走って下っていけるのです。何に取り憑かれたのかは知りませんがよくこういうことがありまして、とにかく急ぎたいモードみたいな、炊飯器でいうと「早炊き」ボタンが心の中で押されちゃうんです。無理に頑張ることもないのに汗だくになって天神平に下り、10時30分にロープウェイに乗ることができました!よし、今回も間に合った!と思ったら思いのほかロープウェイが遅くてですね、、、。うーん、登りでも乗っているんだからわかりそうなものだが、ロープウェイは下りだからといって早いわけではない。
 結局何のために頑張ったのか、汗だけかいてバスにはギリギリ間に合いませんでした。おかげさまで1時間強の待ち時間ができてしまい、レストランでラーメンをふてくされながら食べました。


 まとめると、北海道での撮影が忙しくて実は半分帰宅してから書いております。
 現地の空気感とか、どこへやら。
 申し訳ございません。

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