Report

— 過去に発表した作品の取材レポート。撮影時の舞台裏を、約2週間間隔でほのぼの更新。

REPORT - 56
07 Oct 2019更新

2016年発行JTBパブリッシング「すぐそばにある!関東の絶景」・掲載写真「岩手山」


 いやぁ暑い。一体いつまで暑いんだろうかと思うほど毎日暑いですね。しかし山の上では紅葉が始まっているという、もう全くよくわからない事態。体では秋を感じていないのに、う〜ん、視覚だけでは秋を感じるのって難しいですね。昔は9月末からの冷え込みって寒さに体が慣れていないこともあって「冬より寒い!」なんてよく感じたものですが、、、、先日避難小屋でひと晩泊まりましたが寝袋剥いで裸足で寝てましたよ。朝夕の冷え込みもない、のにぼちぼち紅葉してる。まあ紅葉の絵が撮れるならいいけど、、、しかし背景は秋らしくないモクモク雲が湧いちゃうから微妙ではある。さらには今年のアルプスはやや遅めの感じですが、東北方面はやや早い感じもあって、ちぐはぐなところもちょっと困っちゃいます。予定通りいかないなんていうのはいつものことですが、いくつも予定を立てているのでこう見頃が交差すると自分もどうしていいのやら、、、と悩んだ末に完全にアンテナを失い釣られるように陸上トラックへ、、、いやまずいでしょ。大丈夫、ちゃんとウェイトもやってます。って違うか。
 ところでここ最近私のメールの調子がおかしくてですね、頂いたメールに返信したのに届いてない事態が多発しております。とくにちょうど「にっぽん百名山」の光岳回の後あたりに多かったので、メールを頂いたのに返せてないという方が実は結構いらっしゃるかもしれません。番組の中で紹介した三脚ホルダーのお問い合わせが多かったので、この場を借りてご紹介させていただきます。あれはモンベルのギアホルダーというやつです。三脚中央外付けにぴったりのアイテムでございます。そのほかメール返ってきてねえぞ、という方がいらっしゃいましたら何卒ご連絡よろしくお願いいたします。
 さて、今回の写真ですが、東北の名峰は岩手山の出場です。岩手山は本当に大好きでして、上も下からもよく撮っております。独立峰ではないのですが麓から眺めるとそんな感じに見えますし、重厚感があって堂々としていて、かつ優しげなところもあるという、すばらしいお山でございます。もちろん登ってもよし、見どころも多い上に案外楽に楽しめるという万能型。こういう上司や同僚がいればなかなか頼もしいのですが、世の中はそう上手くいかないものなのでございます。
 撮影は2012年10月9日。日帰りでの撮影なのですが、遠方ですからもちろんのこと、夜行バスでの盛岡入りです。本当はゆっくりしたいのですが、天気をギリギリまで見て確実に晴れると思えるまでは余裕こかない、という心構えのため体は疲れるんですが仕方ないのです。そりゃあできれば新幹線で前日入りしたいですが、たった半日でも天気の確証が持てないのと、なんか負けた気がする、というところでしょうか。何と勝負を争っているのかはわかりませんが、とにかく経費と時間をかけまくればそりゃあ誰だって撮れますよ。いかに効率良く、最短で最良のものを手にすることができるか、というと格好がいいですが、わかりやすくいうとただのギャンブル依存症なのかもしれません。
 東京を前日23時10分に出発して、翌9日6時35分に盛岡着。3列シートのバスなのでゆったりできた「気」はするのですが、毎度のことながら首付近が非常に疲れます。乗り換えの電車まで20分、ささっと駅そばで朝食を済ませホームへと向かいます。天候含め出発前まではいろいろと気が重いのですが、現地に来てしまえばやるしかない、気持ちもやや楽になって集中していくのみでございます。
 まずは花輪線の大更駅まで行くのですが、、、車窓から見える景色はというと、晴れては来そうだけど強烈な濃霧。何度もこういう目にあってもちろん晴れなかったケースもあるわけですが、だいたいこのくらいの時間帯だとまだ「絶対に晴れてくる」と信じています。10時くらいにこのままだとだんだん悪態をつくようになり、お昼を過ぎると腐ります。でもこの「腐る」というのも大事なことだと思っています(勝手)。というのも、「まあいいか」となってしまったらそれだけ執着とか執念じみたものがないということですし、自分の行動、これから撮影するものに対してそれだけ力を注いでいるということの裏返しであるからです。ただし単独行動にしてもらいたいですね。こういうときに同行者がいたら非常にご迷惑です。ずーっと言ってますから、腐り言を。まあでもそういう時もあるということで。電車に乗っている間に霧はサーっと晴れていき、問題なさそうな天候へと変わりました。よかったよかった。
 大更駅からは予約しておいたタクシーで焼走り溶岩流へ。8時前には到着し、1時間ほど撮影しました。ということで早速ですみませんが今回の写真はここからのものです。朝「やや」早かったからなのか人は誰もおらず、とにかく気兼ねなく撮れたのは何より。ここから眺める岩手山というのは本当に独立峰っぽく、三角錐のきれいな形になります。これぞまさに岩手富士。ですが山容としては若干どっしり感を失うので春子谷地あたりからの眺めに比べるとヘッド感は弱まるのですが、こういう岩手山もいいね、という感じで好みではあります。それでも聖フェニックス(聖戦衣化前)くらいの輝きはある。まあでもここからの景色というのは岩手山が単なるみちのくの美しい名峰というだけでなく、火山ですよという要素が入れ込めるのがいいところですね。まさにその溶岩が冷えて固まったものを手前に入れられるわけですから。
 紅葉は遅い年でまだもうちょっと後でもいいかなとも思うところもありましたが、手前は溶岩だらけなのでそこまでは気になりません。それよりかちょっと雲が秋らしくないところがあって、そっちがやや気になるところでした。もう少しスーッと優しい筋雲だとよかったのですが。それよりもなかなか難しいのがこの溶岩の処理。岩の大きさはだいたい均一なので特定の岩をポイントにしようとかの小技が使えず、かといって縦横無尽に溶岩流跡を歩き回っていいわけでもなく、所謂湿原での木道からの撮影のような難しさがありました。なんとなくのっぺりした感じになりやすいといったところでしょうか、ピークの位置をどこに持ってくるかをちゃんと考えないとつまらない絵になりそうです。こういうところはドローンで撮ると「おおっ!」という迫力が出せるかと思いますが、ドローンだと「ドローンで撮りました」的なつまらなさもあるので、やはり被写体を通して何を伝えたいのかというのを良く考える必要もあります。あとは写真と関係ないですが岩がゴツゴツ&ザラザラしてかなり硬いので、寝不足状態で歩いていると転びやすく、もし転んだら被害が大きそうなところがちょっと気になったと言えば気になりました。まあこれは寝不足なのがいけない。
 ひと通り溶岩流での撮影を終え、ここから岩手山へと向かいます。この日は山頂を経て西側へと移動しつつ、午後は姥倉山あたりから岩手山を撮る計画で網張温泉へと下ります。眠気を覚ましながらまずはなだらかな樹林帯を歩きますが、ひと登りで先ほどの焼走りを見下ろす展望台に。見下ろす溶岩流というのもなかなかのものです。先ほどまでは全てを見上げる景色でしたが、ものの数十分で全てを見下ろす景色が広がるというのは登っていて気分がいいですね。しかし、、、、眠気が全然おさまらん。
 また樹林帯に入り、溶岩質の硬い岩が露出した登り道を登っていたそのとき!そのときですよ奥さん!寝不足からか足元がフラつき、よっと体のバランスを取ったものの頭の中がうまく連動せず思わず転倒。硬い岩に膝を当ててしまいました。痛〜。これは血が出てるだろう、と膝を見やるとなんと!買ったばかりのストームゴージュアルパインパンツ(ファイントラック)に穴が空いているではないか!うお〜っ!いや、膝下も切れて血もがっつり出てるんですがそんなものはそのうち治る。しかし、、、新品なのに。。。夜行バスの疲れというものがこういうところに響いてくるのか、と実感した瞬間でありました。こういうとき、なぜかいつもしっかりカメラは守っているのが不思議です。ということで失意のまま&流血したまま山頂を目指すことに。平笠不動付近の紅葉はやや枯れ気味、見下ろす御苗代湖方面がぼちぼち感があるので、まあいいか。ここからはザレザレの道で山頂、お鉢めぐりへと参ります。
 この岩手山の山頂部、お鉢はいつ来てもいいものです。実際そこまで広いわけではないんですがやたら広い感覚がする。おそらく近くに山がなく、麓の景色がガガッと広がっているのが視覚的に大きいのかと思います。う〜ん、天気もいいし3周くらいしたい。ミニ富士山山頂、というところなのかと思いますけど、高度感が富士山ほどないのでのどかなんですよね、景色が。人がまばらなのもまた良し。ここはまだ冬に登ったことがないのですが、雪がついた季節の朝の写真を撮ってみたいです。
 不動平からは紅葉目当てなので稜線コースへ行かず、御苗代湖方面へ。結局御花畑から鬼ヶ城岩壁の紅葉を撮っていた気が致しますが、、、、大地獄谷付近はなかなかの見頃でした。ここにきてようやく紅葉を撮っている気がしました。。。この辺りから切通にかけて眺めるのっそりした岩手山も好きです。この山はやはり角度によっては尖ったり、のっそりしたり、どーんと構えたりと色々な姿を見せるのがいいですね。こういう山はやはり色々と撮りたくなってしまいます。そんなところが何度も足を運んでしまう原因でしょうか。登らずに麓から撮ったって結構満足するし、いつの季節も気になってしまう。盛岡の夜景とも絡めたくなってしまう。恐るべし岩手山。
 天候はその後も穏やかで、遠くは八幡平を眺めながら姥倉山へ。最後はリフトに乗って網張温泉へと下りました。リフトに乗った瞬間にいつも思うのですが、絶対走って下った方が早いだろうなぁ。しかも3本乗り継ぐし、って普通は観光客が乗りつつゆっくり景色楽しむものだからそのスピードでいいのか。せっかちなのも考えものですね。でも特に一番下のリフト、これは絶対に歩いた方が早い!
 網張温泉に下山し盛岡行きのバス便まで45分、薬師の湯へスーパーダッシュしました。何気に微妙に距離があるのが疲れました。入浴時間は10分なかったと思います。というか膝の傷が染みて浴槽に入るまでに5分くらい要したので、実質3分くらいしか入ってないかもしれない。

体が持たん時が来ているのだ

 今年はまた台風が来るのか。。。天気にイライラして、紅葉の見頃にピリピリして、出たり入ったり本当に慌ただしい時期ですが、ともかく何よりもこの暑さがなかなか和らがないところが一番体に堪えます。そろそろ陸上のほうもシーズンオフにしたいところなんですが、オフって感じの気温じゃないのでいい加減体が疲れてきております。毎年だいたいこの頃からちょっとロング走を入れだしたりするんですがそんな気にもなれず、とは言えスパイク履いて走りまくるのも気持ちいいですが、もういい加減集中力も切れるところです。山の上を歩いていても暑いし、ってこの前は紅葉撮ってましたけど半袖半パンで汗だくですよ?意味がわからん。それでそこそこ染まってるのも、意味がわからん。
 今年はこのあとの雪はどうなんでしょうね。いつもだったら10月半ばにはさすがに降ることがありますが、降らなそうだし、また冬の訪れが遅いんでしょうか。と言っていたらガーッと降ったりするから、もう待ち構えて対応していくしかなさそうです。昔はこうだったとか、こう季節が巡らないとおかしい、といつまでも言ってるんじゃなくて、とにかく合わせていくことが大事なのかと思います。

 とりあえず陸上は400mを今月にあと1レース。
 シーズン最後になんとか50秒台を出したいところですが。
 夜行バスで紅葉を撮りに行っているようでは、なかなか難しい。
 夜行バスならまだしも。

 夜行バス&夜行バス

 何故自分に苦しみを与えているのか、わからない。
 7年経っても、岩手山の反省を全く活かせてない。

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