Report

— 過去に発表した作品の取材レポート。撮影時の舞台裏を、約2週間間隔でほのぼの更新。

REPORT - 53
14 Aug 2019更新

会報誌「キヤノンフォトサークル」・2018年8月号掲載写真「空木岳」


 毎日本当に暑いですね。さて、先日のNHK総合でのドローン大縦走の新作はいかがでしたでしょうか。今回は超有名な所謂スタークラスの山はおりませんでしたが、魅力ある山々だったかと思います。私は特に黒部五郎岳は大好きで何度も通っておりますし、一番山の魅力を感じることができる、そんな山域なのですがこればかりは歩いてみていただかないと伝わらないですかね?歩かなくても伝えられるようにするのがお前の仕事だろ!と言われてしまうとそれまでですが、お楽しみいただけたようだと有難いです。しかし思い返すと本当に今年のロケは天気が悪く、、、よくまとまったなぁと思う次第であります。
 お次ですが、さっそく来月に「NHKBSにっぽん百名山」に3年ぶり3度目の出場です。お山は南アルプス光岳でございます。ドローン大縦走とはまた違って、きちっとしたロケになるんですが、慌ただしさがない分楽しいロケでした。ただしここでは撮影監督とかはやりませんので、なんだか本人の心の中はやや物足りなさも感じたりとか。。。(笑)。でもほのぼのと仕事できたのは楽しかったですし、う〜ん、やはりどちらも楽しいものです。光岳では今年の梅雨とはなんだったのか?と思われるほど晴れまくったので、ぜひお楽しみにお待ちください。こちらもこちらでいい山ですよ。
 それと、急にですが北アルプスは双六小屋にてちょっとしたイベントをやろうと思います。本当に急な思いつきで、小屋の人にも只今絶賛迷惑掛けまくっております。が、やります。と言ってもそんな大掛かりなものではなく、軽いもの、いい加減なものです(笑)、思いつきですので。天気が良ければ夕方は樅沢岳に登り、夕食後にちょっとしたトークイベント、そのあとは一緒におつまみでも食べながら談話、と写真に興味があればそういう話をしてもいいですし、山の話をしてもいいですし、双六小屋でありながらも南アルプスの話をしてもいいです。仮面ライダーは範囲内ですが、戦隊シリーズは苦手です。できればラフにグダグダな感じでやらせてもらえればと思いますので、参加費は宿泊代に加え、5万ジンバブエドルを予定しております。つまるところイベント自体は無料ですので、小屋でお会いしましょうレベルのものです。山岳写真についていろいろ聞きたい方には朗報!かもしれませんが、果たして山の上まで来るのかどうか。。。小屋に迷惑掛けるだけ掛けておいて一人も集まらない予感が早くもしておりますので、何卒よろしくお願いいたします。決まりましたら「News」欄、もしくは双六小屋サイトにてアナウンスさせていただきます。たぶん9月1日です。
 さて、いつものレポートに戻ります。今回の写真は、キヤノンの会報誌、フォトサークル2018年8月号に掲載した写真でございます。ちなみに実は今年の8月号にも写真を寄稿しております。今回の写真を空木岳に致しましたのはリクエストがあったからなんですがすみません、これだと空木岳と南駒ヶ岳ですね。。。ごめんなさい。
 実はこのときの山行は以前他の雑誌に原稿を書いているのですが、もう一度書きます笑。多分一度雑誌などで一度書いた山行原稿をレポートで書き直すのは初めてなのですが、どうなんでしょうね。どちらかが嘘をついているッ!なんてことはあるんでしょうか。まあほんわかした記憶を辿って書いておりますので、何か間違うこともあるかもしれません。何卒ご了承ください。
 この写真を撮影しましたのは2016年8月10日。異常に花が咲くのが早かった年だというのをよく覚えております。約ひと月前にも木曽駒ヶ岳を訪れており、そのときはすでにコマウスユキソウが満開でした。花が咲くのが早かったので、ここでのもうひとつの目当て、コケコゴメグサもそのとき探したのですが見つからず。ということで再び訪れた8月は稜線縦走のルポ取材、コケコゴメグサが目的でした。
 入山は前日の8月9日、とりあえず木曽駒の頂上山荘でテント泊ということで遅めの出発。しらび平でロープウェイに乗りましたのが夕方の4時、千畳敷についたときはすっかり曇り空で、涼しい空気が漂っておりました。雨に降られると厄介ですがそこまで崩れる感じもなく、ですので入山日としてはちょうどよい感じです。なんやかんやで初日に一気に楽に稜線に出られてしまうのは気分いいですね。テントを張ってから天気はさらに落ち着き、いい雰囲気の西日が山に当たるようになりました。すごーくいいシチュエーションというわけではないですがほんのり山が赤く染まるのを見ると、明日の天気は良さそう、という期待が持てます。目の前の中岳まで登って、とりあえずは日没まで写真を撮っておりました。縦走と言っても空木岳までなので、一日晴れればなんとかなるんです。天気には頑張ってもらいたい。
 夜は満天の星空だったので、朝もそのまま晴れ。とりあえず木曽駒ヶ岳に登り、撮影をはじめます。雲海も綺麗で展望もバッチリ、なのですが、、、360度見渡してみると八ヶ岳がいない。雲海の中に潜って見えておりません。ということはこの雲海はぼちぼち高いところにあるわけで、、、こりゃすぐにでも湧いて大きくなっちゃいそうですわ。不安感しかない。夏はいつも朝だけ晴れ、にやられてるから心配です。
 とは言ってもこういう雲のおかげで撮れる写真もあるわけです。というわけで早速ですが今回の写真です。(いきなり逸れますがなんだか最近のレポートでは登って早速撮った写真が多いような。。。もっと縦走して、引っ張って引っ張ってようやく撮りました、という写真がいいですかね、何だか頑張った感じがして。いや、いきなり撮った写真でも頑張ってないわけじゃあないですよ。)乗越浄土あたりからでも、中岳からでも、この木曽駒ヶ岳山頂からでもよく撮る空木岳と南駒ヶ岳の構図なのですが、やはり雲が湧いてくれると一味違いますね。
 遠望系の写真って写る素材が全て遠くのものを切り取って撮りますから、樹林帯だけとか岩壁だけとかのワンテーマ切り取りだとわかりやすくて撮りやすいのですが、「山」を撮るとどうしても平たく退屈な絵になりがちです。もちろん朝夕の斜光があれば光と影を生かして立体感を出すことはできますが、それでもやはり距離が遠いと躍動感に欠けるものがあります。そういうときはこういう感じで雲が湧いてくると絵に動きがついて、一気に臨場感や躍動感を絵に加えることができるわけです。この写真の場合はただ晴れているだけだと山がのっぺりとしてしまい、重なった山なみの感じがイマイチよくわからないと思います。湧いた雲を間に差し込ませることで、手前の尾根、雲と稜線、空木岳と南駒ヶ岳の稜線、奥にさらに雲、と4つの階層を作ることができます。簡単に言うと、額に入る3Dペーパークラフトみたいなイメージでしょうか。とはいえ雲が湧けばいいってもんでもなく、その流れ方はよく見ながらシャッターを切らないと効果的にならなかったりしますので、やはり被写体を注視することが必要です。ここでは南駒ヶ岳の下を過ぎていく雲が山にかかりすぎないように気にして撮っていますし、手前から2層目の雲もがっつり湧かないところで撮っています。あんまりにがっつり階層が見えてしまう、というのもあざとくてつまらない絵に見えてしまったりするわけです。
 そんなこんなでぼちぼち山頂での撮影を済ませ、テントを回収して午前7時半前くらいからようやく縦走にかかります。ちょっとゆっくりしてしまったでしょうか。でも、さきほどの雲がグワッと湧いてさっそく一日終わってしまうなんてこともなく、すんなり消えてくれました。どうやら縦走日和のようです。宝剣岳の岩場を小気味よく済ませ、極楽平から「行けーッ!」と叫ばんばかりの気持ちの良い稜線を進んでいきます。宝剣岳周辺も結構花が咲くのですが、こちらは先月撮影を済ませていたのでよかったです。もしこのときに結構咲いてたら、早速足止めを食らっていたところでした。
 島田娘からは下りということもあって、本当に快適な稜線。しかしながら濁沢大峰あたりから、やや雲が湧いてきた。時刻は9時半前後、夏山とあらば仕方がないというところだが、撮影する側からすると非常に困ります。こうなると私はいつも悪い癖が出てしまうのですが、非常にイライラしてしまうわけです。つまるところ一人で歩いていたらほぼ走っているのでこの時間でももっと先に進んでいるのですが、ルポの撮影も兼ねていると同行者にもペースを合わせなくてはならないので、ですが、うおーッ、走れー、走れよ!と叫びたくなってしまうのです。同行者からしたら非常に迷惑。まあ同行の方はよくお仕事をご一緒してもらっている人なので、私の行動をどうも理解されているようで、私が「走れ!遅いんだよ!」と叫ぶ前にこちらのイライラを察知して「イライラするのは自分勝手です!」と怒られてしまいました。すみませんでした。この場を借りて今更ながら謝っておきます。
 しかしそんな天候のおかげか檜尾岳周辺でなんとも足止めを食らってしまい、ウダウダとうつむいて稜線を歩いていたら見つけました。コケコゴメグサ。もちろん探す気満々でうつむいていた訳ですけど、探す気満々で探さないと見つけられないくらい小さいコゴメグサ。普通に歩いていたら絶対に見つけられないと思いますので、今後夏にこの辺りを歩く人はぜひ、見つけてみてください。中央アルプスの固有種ですのでレアものです。
 そんなこんなでコケコゴメグサの撮影に奮闘していたら、まさかまさかで雲が晴れてきました。通常の夏山ならもう諦める感じだったのが、不思議と青空に戻っていく。だってもうお昼前ですよ?晴れに戻るなんて普通は思えない。まあこれは儲けもので本当にありがたいところで、今回の縦走最大の目的、東川岳からの空木岳、というのが撮れそうになってきました。一時は沈んだ気持ちがうおおーッ、と蘇ってまいりましたが、「だったらいちいちイライラするんじゃねーよ」という視線をどこからか強く感じます。おそらく勘違いでしょう。熊沢岳まで順調に天候が持ち、少しずつ、東川岳へと近づいていきます。夏の午後に晴れるのって、本当に難しいんですよ。
 そして東川岳。目の前にドカーンと聳える空木岳。空木岳を望むなら、間違いなくココです。とりあえずは夏らしい雰囲気で気持ちの良い写真が撮れたのですが、ここで夕方まで晴れたら最高でしょうね。いずれ冬も訪れて撮りたいところです。しかしほんと思いのほか天気がもって、たっぷり時間をとって撮影できたのはうれしかったです。心も表情もニッコニコです。しかし、「だったらいちいちイライラするんじゃねーよ」という視線をどこからか強く感じました。。。このあとは空木岳への登りでさすがにガスに巻かれて山頂眺望はゼロ、明日撮り直しできるよう駒峰ヒュッテで素泊まりすることに致しました。ヒュッテから見下ろす駒ヶ根の夜景が優しい雰囲気で綺麗だったのが印象に残っています。
 翌日はまた無事晴れまして空木岳山頂に登り、ぼちぼちよ楽しんだあと池山尾根を下って行きました。林道終点の駐車場でタクシーを呼ぶことなく暑い中しっかりとこまくさの湯まで歩きましたが、樹林の途中でヤマジノホトトギスが一輪咲いて居たので何となく得した気分でした。

話は現代に戻ります

 近況ですが、今年もまた区の代表で800mを1本走ってきました。今年は撮影が多いのもあって出ない予定でしたが、他の選手が怪我で出馬できず、急遽代役での出走。6月半ば過ぎからドローン大縦走のロケひと月、帰ってきてすぐに個人での撮影、でもってその直後ににっぽん百名山ロケ、と約ひと月半以上もずっと山におりまして、スパイクなんて二ヶ月ほど履いて走ってないので、、、山にいる間はジョグもできないし、トレランしたとしても800mに何の役にも立たないし、、、っていうか怪我した人が無理に走ったほうが速そうな。。。うーん、正直走るのが怖かったですよ。何でOKしてしまったのか。多分ドローン大縦走のラスト、まさかの鷲羽岳か撮れたのがいけなかった。あれが気分を大きくしてしまったと思われる。。。
 というわけでレース当日、他の選手を見ればみんな若くて高校生とか大学生、唯一お一人36歳の人がいるけど、この人は他の区の凶速ランニングクラブのTさん。去年は勝ったけど、今年は流石に勝てる気、っていうかそもそも走れる気がしないのにどうにもならんだろう。そもそも40オーバーのおじさんがなぜここに混じっているのか?6位までは得点が出るのですが、とりあえず完走が目標でした。800m完走目標ってどうなんでしょう?
 結果はまあ笑。二ヶ月走ってなくて、いきなり800mっておかしいでしょ。感覚は鈍りまくり。はじめから突っ込んだら死ぬし、後半まで持つ気もしないし。800mってほんと走る前は怖いです。400mまでならどうなっても知らねぇウリャーってできるし、1500mからはやや落ち着いてスタートできるし、あーもうダメですわ、ビリ覚悟。しかも、私ははじめからハイスピードで突っ込んで何とかするタイプのスタンド。。。どうにもならんだろう。
 とりあえずは練習だと思って走りました。はじめは後ろに着いてって、500mくらいから経験未熟な子鹿である高校生をひとりずつ捉えていく。思いのほか余裕があって後半でも疲れが出ず、ラスト200mで前から数を数えると、おお!6番ではないか!イェーイ。あとはこのままテキトーにスピードを落とさず得点圏内でゴール、すれば一応任務完遂、監督にも怒られまい。ラスト、前にはTさんがおりましたが、本当に完走が目当てだったので無理しませんでした。こんなところで無理してもしょうがない。で、タイムは?2分6秒。遅えッ!うーん、仕事辞めたい!

 いや、しかしながら得点1点も取れない方がまずい。
 今年はややレベルが低かったので、何とか点が取れてホッとしました。
 二ヶ月ぶりで、テキトーに走った割にはよくできました。

 試合後、監督に「テキトーに走った割にはレベルが低くて、得点取れてよかったですよ。」
 と言ったら、

 「テキトーに走るなよ!」と真顔で叱られました。

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