Report

— 過去に発表した作品の取材レポート。撮影時の舞台裏を、約2週間間隔でほのぼの更新。

REPORT - 79
15 Mar 2021更新

雑誌 アサヒカメラ・2016年2月号掲載写真「岩木山」


 ようやく暖かい日が続くようになった今日この頃、何となくですが体の動きも良いような気がします。まあそりゃそうだ。ハーフタイツで走れるか、ロングタイツで走らなきゃいけないか、と言われればハーフタイツの方が断然動きが良い。ということでここ最近は100mを走れば11秒5くらいは出ているので、(残念ながら歳を重ねているが)今年もまだまだ走れそうである。問題は新型コロナの影響でウエイトトレをやっていないので、筋肉とそれに伴い体重が落ちていることだろうか。昨年は緊急事態入る前までは結構できてたので11秒3とか出ていましたが、やっているのとやっていないのの差が0.2秒、というところなのだろうか。昨年の今頃は明らかに動きもよかったので何とかあそこまで戻したいところですが、ただ走ると言ってもなかなかうまくいかないんですねこれが。なのでまたウエイトトレをやることによって戻ると良いのだけれど。
 ひとつ懸念材料があるとすれば、本当にこの冬はロング走をしなかったこと。冬に入る前は1000mのインターバル5本くらいはやろうやろうと思っていたのですが、今日は寒いとか、風が強い、とか言い訳を言って走らずじまいでした。さすがにそうなると1000m1本ですら後半は足が持たなくなるようで、先日走ったら2分50秒で太腿がプルプルしちゃいました。800mまでは何とかなってるんですが、ちと情けないですね。なので今シーズンはいつもと違い、暖かくなってきた今頃から少しロング走をしていこうかと思います。寒いから〜とか風が強いから〜とか、言い訳言っちゃうのもおそらく哀しいかな「歳だから」なんでしょうけど、あとどのくらい今のレベルで走れるんでしょうかね。もちろん走るのが好きだから走ってるんですけど、速く走れなくなってくるといくら「全力」は出しているとはいえつまらなくなってくるような。。。え?って言うほど今も速くないって?そうだよなぁ、100mは10秒台、400mなら49秒、800mなら1分55秒くらいでは走れないとダメだよなぁ。。。まあ、普段の生活には全くいらない体力ではあります。
 最近困っていることがもうひとつ、ガンプラです。コロナの巣篭需要なのだか、転売ヤーのせいなのだかで全然定価以下の在庫がない。あ、いやどこかの店舗にはあるのかもしれないが面倒なので、、、ネットにない、ということです。何だか異様に高いんです、なのでそんな定価以上の買い物はしたくないとか言っていたら全然買いたいものが買えなくて、RGジオングもまだ買えてないという情けない状態。でもなんかRGジオング結構作る気満々でしたけど、見本みてるとちょっと腰が細いよなぁ。。。とか時間が空くと悪く見えてきちゃいます。う〜む、お台場でも行くしかないのかな。。。ここにきて積みプラの大事さを思い知ったのでありました。まあとにかくまとめると、全く仕事の話をしていないですね。
 さて、今回の写真ですが、岩木山で撮った霧氷の写真です。撮影は2014年3月19日、もう3月も下旬に差し掛かろうとする春めいた時期ですが、そこそこ寒い日であれば山はまだまだ冬でございます。ちょうど低気圧が通過して翌日は高気圧がやってくる、、、というタイミングをついての撮影でした。2014年のこの頃はちょうど「雪山ルート集」の撮影もあって次から次へと山を歩いておりましたので、行動としてはずっと天気を待てる状況にはなく、うまくピンポイントに好天を突いて撮影、というサイクル。もちろん家での待機だってずっと天気図を見ながら待てるわけでもなく、詰まっている撮影を終わらせないとどんどん詰まっていくことになりますから、ある程度ギャンブルで晴れる日には必ず山にいてこなしていくことが重要になります。だいたいはうまくあっち行ったりこっちに変えたりとやりくりしてうまくまとめられたのですが、この年の3月1日に行った八甲田山ではやや失敗しているので(レポート47・やさぐれた地獄兄弟?の巻、を参照)ちょっと怖い青森界隈です。しかし寄ってくるであろう高気圧を見計らって、これは行ける!と意気込んで出かけたのでした。
 3月1日の八甲田山は愛車であるパンダ号には乗らず、行き帰りとも新幹線利用しておきながら思わしくない撮影結果ということで手痛い出費となってしまったのですが、懲りずにまた自信があったのか弘前まで新幹線利用で向かいました。たしか当時の記憶としては次から次へと山を周っていたので、夜行バスで体力を削ってはいけない、お金で体力を買わないとこなせない、という尊い(?)思いからそうしたような気がしますが、でもまあ晴れるという自信はあったのでしょうね。撮影がうまくいくなら撮れる量も多くなりますし、ちょっとは贅沢しても良いのではと思うところ。また、登山ルートもピストンですから、少なくとも山頂到着時間には晴れているはず、ルートなら下山時に撮ってもいいし、と思っていたと思います。ということで前日18日は夕方5時の天気予報を確認してからという万全体制で自宅を出たのでした。弘前駅前のビジネスホテルに泊まり、翌朝は朝7時ごろのバスで嶽温泉へと向かう予定。登山自体はあまり時間がかからないので、まあ次の9時出発でも行けないことはない。翌朝起きてその時点で思いっきり晴れていたら7時便で、やや雲が残っていたら9時便でもいいかな、と余裕ぶっこいて寝ました。
 3月19日。朝起きて部屋のカーテンを開けるとだ。思いっきり天気悪いじゃん!!てっきり悪くてももう少しは青空が出ているものと思っていたが、どうやら甘かったようである。この時点で天気予報を見る限りまあ昼には晴れてきそうだけど、翌20日にはもう下り坂のようなので粘るというのもあまり得策ではない模様。とりあえずはこの日の午後に賭けてみるしかなさそうである。なわけであっさりと9時便のバスに切り替えてゆっくりと出発、10時ごろから登り始めたのでした。バスの乗車時間は約1時間、途中で晴れてくるだろうなんとも思っていましたが変わらず。一応嶽温泉に向かう間も祈りながらバスに乗っていたのですが、祈りが甘かったか何も変わらず。むしろやや雪がパラついているような。。。う〜む、これは弘前から嶽温泉まで五体投地で行くべきだったかとも思いましたが、詳しいやり方は知らないので匍匐前進にしかならなそうでもある。そしてそれではそもそも登山や撮影の時間が削られてしまう。ということは、前日岩木川に饅頭を49個投げ入れておきべきだったのか?とも思いましたが、それでは南蛮王孟獲編ばっかり読んでいたのがバレてしまう。つまるところ負け確定?いや慌てるなこれは孔明の罠に違いない。
 嶽温泉からスノーシューを履き、ともかく黙々と上がっていく。はじめの樹林帯はスキーツアーコースになっているので歩くところがまっすぐに切り開らかれていて、とにかく悪天でも進むんだ諦めるなよ感が強く出ていると言えよう。なんか今日ダメっぽいけどまあせめてあそこまでは行ってみるか、、、的な環境なわけである。しばらく進むと純粋なブナだらけの森になって、頭上は青空が見えてきました。お日様も顔を出し、「ははあ。なるほどなるほど。今回もやっぱり天気に恵まれたねぇ。さすがだねぇ。」と心の中でほぼ勝利宣言である。とは言ってもまだ山頂の方は雲がかかっていて見えはせず、時間もあるので登山道から少し外れて岩木山が見渡せる沢の方へと寄り道をしていきました。
 そこら辺のブナにもぼちぼち霧氷が付いていましたが、開けた沢に出るとさらに上の方にはすばらしい霧氷群が広がっていました。もともと山頂付近はエビのしっぽだらけになる山なので当然樹林帯はこうなるだろうとはわかってはいましたが、ちょうど寒波が通過して程よいタイミングでした。目線を上に上げていくにつれ強度を増す霧氷。霧氷の氷のまとわりつき方を「強度を増す」という言い方であっているのかわかりませんがとにかく強度を増している。なんでこういう景色を見て心の中で「うおオオオオ〜」ってなるんでしょうね。まあ綺麗なんでしょうね。下から全体的な霧氷群で切り取っても綺麗でしたが、あの上の方の霧氷を近くで撮りたいなぁ、と。
 頃合いでコースへと戻り、先を進みます。樹林帯を抜けて背後には白神山地の景色が広がります。広がるってよりかはまだちょっと雲が多い、、、かも?八甲田もまだ見えてないし決して油断はできませんがまあこの青空の割合、大丈夫でしょう。岩木山を登っていていつもこの樹林帯を抜けるところが好きですね。もう少し上がると八合目駐車場に乗り上げるんですが、そこの間がなんとなく気分が良いです。樹林を抜けて、急に広がる大パノラマ。ここから少し進んでいくとだんだんとそのスケールに慣れてきてしまってワクワク感みたいなものが薄れていくんですが、この付近が程よい高揚感が味わえます。何でかこの辺のほうが山頂より白神山地の存在感が感じられたりしますし。先ほど綺麗だった上の方の霧氷群と同じくらいの高さに登ってきたわけですが、下から見てた通りなかなか綺麗な霧氷です。ちょうど東側も雲が取れてきて青空になり、霧氷に日も当たってなかなかの状況です。ここらで撮ったのが今回の写真です。ちょうどまだ雲が流れるように山頂を駆け巡っておりましたので、雲の動きも入れつつ撮ってみました。スッキリ青空っていうのもいいですが、このくらいしか青空の割合を画面に割かないのであれば雲があったほうが動きが付いてよいかと思います。いや〜、でも全体的にキラキラしていて綺麗でした。まあ、まだまだ山頂の雲は取れそうにはありませんが。。。
 八合目駐車場に乗り上げましたがさすがに雲の中に入り、真っ白な世界となってしまいました。先ほどのお日様はどこに。。。まあまだここからも山頂まで少し時間がありますから焦らずです。最悪山頂で晴れれば全てヨシッなわけで。風も強く半分ホワイトアウトの様相ですが、ここはリフトのワイヤーを辿っていけばいいのでこれといって問題ない。これといってあれといってといろいろ言いながらも結局九合目でもあまり天候は良くならずなのですが、なぜか「晴れるはず」という自信がありました。というか、現実から目を背けていただけ?だったのでしょうか。しかし時折雲がスパッと抜けスコーンと頭上にスッキリクリアな青空が広がるとその度に、「ははあ。なるほどなるほど。今回もやっぱり天気に恵まれたねぇ。さすがだねぇ。」と勝利宣言。まあ青空みると期待しちゃうよね。。。
 気付いたら真っ白な中、登頂しておりました。だいたい午後1時半頃、当然こんな天気では誰もおりません。さっきまで晴れていたはずだが。。。風を避けるような場所もあまりないのであっち行ったりこっち行ったりと動き回りながらとりあえず粘ってみます。まだやれる。そんなことを考えているとスコーンと雲が抜け、弘前方面の景色が一気に開けてまいりました。「ははあ。なるほどなるほど。今回もやっぱり天気に恵まれたねぇ。さすがだねぇ。」と勝利宣言してホッとしたのも束の間、またすぐに真っ白な世界に逆戻り。まさか今回は負けなのか。。。?と、ようやくここらでそんな気がしてまいりました。いや、山頂でも結構粘ったんです、頑張ったんですよ?もう少しで晴れるはずだったんですよ?

話は信じるが、戦果だけが問題なのでな

 キシリア閣下の厳しい言葉が山頂に響き渡った。厳しい。しかし現実である。負けたのである。この冬の出撃回数はかなりのものであったが、初めての敗北であった。。。いや、でもお前もあのタイミングでギレンを殺っておいて、それで戦果求めるってのもどうよ?赤い彗星も地に落ちたものだな、ってやかましいわ!青モンベル着てたわ!
 しかし、どこかで負けを認めなくてはならない。これも経験なのだと言い聞かせるしか方法はなかった。。。鉛色の空を見上げながら、言った。「わかってくれるよね?ララァにはいつでも会いに行けるから。。。」。。。もはや誰が誰役なのかも全くわからない放心状態である。いやぁ、晴れるはずだったんだが。。。午後3時近くにさすがに降参し、下山に取りかかることとした。霧氷だけ取りに来たのであればまあ楽しめたね、という感じあるが、きれいな雪山ルート集を作るためには何としてでも晴れてもらわないと困るのである。今回の素材を使うわけにはいかないのである。しかし3月も残すところあと10日、まだ3件ほど山を残しているので、、、これ撮りきれるんでしょうか?
 嶽温泉まで降りてきて振り返る岩木山。きれいな三角錐は依然雲の中で、本当にもう少しではあったのですがこのときは泣く泣く諦めたのでした。こうなると少しでも経費を減らしたいから弘前からはパンダ号での帰還が望ましいのですが、、、実は往復割引で新幹線乗車券買っちゃってたので。。。汗。ホント、差額でスパイク買えたなぁ、とかガンプラ買えたなぁとか、ぶつぶつ言いながら弘前行きバスを待っていたのでした。いや、そこは撮影機材買おうよ。

 山頂が雲に包まれた岩木山
 麓は晴れているんだが。。。

 弘前から新青森行きの電車でがっくりと肩を落としながら
 外を見ると

 晴れてんじゃん!!!
 う〜ん、今頃雲が取れてもですねぇ。。。
 でも、また来るね。
 (レポート07へと続く)

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