Report

— 過去に発表した作品の取材レポート。撮影時の舞台裏を、約2週間間隔でほのぼの更新。

REPORT - 77
23 Jan 2021更新

2017年発行ブルーガイド山旅ブックス「はじめての山あるきブック関東周辺」掲載写真「中央アルプス」


 また長らく間が空いてしまいましたが前回のレポートから仕事は無事進み、ようやくカラーリング地獄から抜け出すことができました。こーだのあーだのやっていると本当に時間がかかるもので、400カットくらいあったのかな、いろいろなものを含めると。仕上がりの確認まで含めれば最低でも1カット30分くらいはかかるもので、まあ所謂色には「答え」なるものがありませんから、どんなに作業が慣れている人でもそれぐらいはかかるんではないだろうか。そりゃあ「これくらいでいいや」というならいくらでも早く仕上げられるとは思いますが、そういういい加減なことはいやなので頑張ってしまうわけです。つまるところ「答え」は己にあるということでしょうか。そうなるとキリがない。な訳で朝から晩までカラーリング、夜寝ている間に書き出して翌朝チェック、修正、という感じです。それでも実は細いところにこだわっているだけ、と言われてしまうと本当にその通りですので、ダメなものと比べた時にわかるくらいで、出来上がったそのものを見ても多く人にとってはどうでもいいことなのかもしれない。。。普通に考えれば映画だって、色の仕上がりとかに興奮するよりみなさんストーリーが大事なわけですから。
 撮影の素材が夏が多かったこともあり、「緑」には本当に疲れました。赤とかは正直ビビッドに出し過ぎてもなんとかなるし、黄色に転んでもまあなんとかなったりするもんですが、この「緑」というのは写真でもですが結構厄介で、黄色に転ぶともっさりするし、青に転ぶと生気がないし、かといって「いかにも緑」を出すと「いかにもデジタル緑」で気持ちが悪いのです。なのでその塩梅をいかにうまく出すかが肝なのですが、日の当たり方とか撮ったカメラとかでいろいろと違うものですから、まあ疲れます。早く冬の素材を扱いたいところですが、スキー場の営業も週末だけだったりとどうなることやら。。。
 ビジターセンターとは別の、自分の管轄の方の動画もほぼ仕上がっているのですが、、、、あとは音響です。ようやくカラーリングが終わったところなので早くも燃え尽き症候群になっていたりするのですが。。。年末からずっと毎日毎日夜遅くまでやっていたものですから、なかなか疲れてしまいまして。。。って、午前中は走りにいったりしているのでそれが原因で夜が遅くなっているのでは?というところは突っ込まないでください。走らないと頭がすっきりしないので。。。しかし、なんでか夜10時を回ってから目が冴えてきて仕事が乗り出す、というこの完全夜型タイプをなんとか克服したいものです。それで午前中は頭が冴えなくて走りに行って、走って目が覚めたと思うと走った影響で眠くなり、、、、、夜10時に再び戻ってくるのですが、まあ自己管理ができていないんでしょうか。とはいえどこかで走らないといけないし、難しいなぁ。まあとにかく早く仕上がるようなるべく頑張っているところですのでなんとかお待ちくださいませ。
 さて、今回の写真ですが「中央アルプス」とはまたざっくりな。。。ということで入笠山からのカットです。まあ作品というほどの写真ではないということはさておき(汗)、個人的には中央アルプスを全体的に遠目で見る、遠望するっていうのは好きな方です。何ででしょうかね。南アルプスはひとつひとつの山が大きいので遠くから見てもあれが何岳とかがすぐわかる、北アルプスも槍が尖ってたり常念岳とか目立つしで個々の山がよくわかるっているのがあるかと思うのですが、中央アルプスもとい、この木曽山脈というのはパッとみそれがわかりにくいからまさにまるごと山脈として見えるところがそうさせるのか。なんて地元の見慣れてる人からは怒られちゃうかもしれませんけど。
 でも、この中央アルプスの最高峰である木曽駒なんて、普通の人は遠くから見て「あれが木曽駒」って絶対わからんでしょう。いくらか登っている人でもおそらくあそこらへんが木曽駒、あのピークが木曽駒だろう、くらいで、そもそもそのあたりのピークがかたまっちゃってるし。っているかドカンと一座が見えるところってないし、麓から眺めて「どうだこれが木曽駒だ」という姿が撮れる、見られる場所があるなら教えてほしいほどである。むしろ宝剣や空木のほうがひとつの山として姿ができている始末。まあそんなこんなでもちろん眺めればどこかどのピーク、というのは私はわかりますが、中央アルプスはぱっと見で標高も横並びだし、ひとつひとつの山として分かれが明確でもないしでそれがむしろ「山」でなくて「山脈」に見えるわけです。そういうのは所謂ヒマラヤの景色みたいで「もうどれが何の山だかよくわからんがとにかくすごい景色だ」という感覚を生み出しているとも言え、見た人にとって未踏の領域にようにも思え、なんだか異世界感を感じるということなんでしょうか。とりあえず撮ってても見ても既視感の少ない、飽きない感じがあります。
 撮影の方は2017年1月25日、天候を読むと翌日26日のほうが落ち着いて晴れるのでしょうが、全国的に晴れると気温も上がってのっぺりしてしまうと思い、冬型が崩れて晴れてくるまだ空気の冷たい日の方が展望には良いだろうと25日にベット。うまくいけば北アルプスの南部くらいなら晴れるだろうということで出かけました。雪山とは言っても低山ハイクなので装備もいらないし、いや本当にハイキング気分でのお出かけです。厳しい雪山も楽しいですが、何だかんだでいろいろと面倒なこともあるし気も使うしで、こういうハイキングをはさむと非常にリフレッシュした気分が味わえます。っていうか荷物がない、これが一番大きいですよね。富士見駅からスキー場の送迎バスに乗り、富士見パノラマに着いたのが10時すぎ。帰りのバスが15時なので、だいたいぴったり5時間のお散歩です。帰りはゲレ食でも食べてのんびりしたいものです。バスを降りてからロープウェイ乗り場まで距離がぼちぼち、300mくらいありましたので、この辺りは気をつけなくてはいけないですね。いつものギリギリダッシュだけは避けたいものです。
 ゲレンデトップからチェーンスパイクを付けて歩いていきます。すぐ歩くだけで広い湿原、すぐ歩くだけで山頂なのであまり書くこともないのですが。。。とりあえずは雪があってよかった、というところでしょうか。最近はやたら貧雪の年が多かったりしますので、この位の標高だと来てみるまではなかなか怖いものがあります。いくらかは事前にネットで調べられる時代ですが、やはり情報はまちまちですから結局のところ来てみないことには判定できないものがあります。
 湿原(雪原)を抜けてから山頂まではちょっと樹林帯を歩きますが、まあ先ほどのゲレンデからも八ヶ岳の展望はもうバッチリですから心配はしてないです。ただ、北アルプスのほうが雲が取れてればいいなぁ、と思いながら登って行きました。一瞬と言えるぐらいかお昼前に山頂に到着、八ヶ岳の展望はもちろんそのまま、富士山、甲斐駒あたりの眺めも良かったです。一方北アルプス方面はというと、、、やはりちょっと寒気が残ったか残念ながらぼちぼち雲がかかっておりました。取れてはきているからちょっとの時間差なんでしょうけど、夕方ぐらいでしょうかね、雲が取りきれるのは。まあこの辺は致し方なしです。中央アルプスの方は結構取れかかってきており、山なみと雲が悪くないバランスの景色が広がっておりました。スコーンと晴れるのもいいですが、このくらい雲があるのも山の迫力が出てナイスです。全体的には北側も晴れてきているので、ほんともうちょっとの時間差で北アルプスも晴れたなぁ〜と。でも来る前から、もしかしたら北アルプスは雲が残るかも、でも八ヶ岳はきれいに見えるだろう、という予測ぴったりではあったので、それはそれで自分の思惑が当たったような気がして少し嬉しかったり。雲が取れかかってきているところですから当然風もそこそこはある感じでなかなか寒いでしたが、だいたい1時間くらい山頂でのんびりと写真を撮っておりました。帰りのバスは15時ですからここで戻ったらまだまだ時間は余りすぎる。

先手先手

 山頂の人出は平日でしたのでチラホラいるかなくらいでしたが、大阿原湿原まで行けば誰もいなくなって静かな感じを楽しめるのでは思い足を延ばしました。山頂からひと下りして林道を10分ほど歩くだけですので、往復とちょっとゆっくりする時間を入れても30分くらいの寄り道でしょうか。14時くらいにゲレンデに戻れば帰りに昼ご飯も食べて帰れるでしょう、と頭の中で帰りの時間も計算しつつ、誰もいなそうな湿原を目指します。湿原の歩道にはさすがにトレースはあるものの、やはり人影は見当たらず、静かな冬景色を見ることができました。
 ほんのちょっとの差なのですが、人影があるとないとではだいぶ違います。確かにロープウェイでスキー場を通ってすぐの場所と言えばすぐの場所なのですが、もし何もなかったら標高は大したことなくてもやはり山であることには変わりありません。ちょっと足を踏み入れてルートを外せば人が歩くのも大変なところだってあるでしょうし、ほぼ観光ハイクとは言ってもせっかく山に来たんですから、こういう「山にいる」っている気分を味わいたいものです。相変わらず西側から飛んでくる雲が時折青空を隠しますが、樹林帯は風もなく、ぽっかりと開けた雪原は眺めているだけで気持ちがいいです。
 行きが山頂まで1時間かからなかったくらいですので、帰りは林道経由で登り道なし、足早に帰れば余裕で14時ごろにゲレンデへと戻れるでしょう。大阿原湿原を後にしたのが13時半ごろ、ぼちぼち早めの歩きで戻ってはいたのですが、途中西日っぽくなってきた八ヶ岳の展望に足をとられ、写真を撮りつつ、まあ間に合うからいいでしょう、と写真を撮りつつ、まあお昼ご飯を食べなければ別に時間はあるでしょ、とつらつらと結局ゆっくりペースになってしまったのはいつものことです。
 そういうわけで(笑)、いつも通りといえばいつも通りなのですが、ゲレンデに戻ってきたのは14時45分を越えておりました。ま、まあ後はロープウェイで下るだけなので何の心配もいらないはず、なのですが、これも本当に何度も同じことで苦しんでいるような気がします。ロープウェイに乗ると麓の駅も見えてますし、見てるだけならゲレンデをサーっと降って5分もかからず降りられるような気になってしまうのですが、ドンブラコドンブラコと結構遅いのです。いや、本当にそれも毎度わかっていることなのですが、なぜか計算からは忘れてしまうという不思議なトリック。時計を見つつ、麓を見つつ、焦ります。15時のバスに間に合わなかったらまあタクシーを呼べばいいだけなのですが、なぜかどうしても間に合わせようという気も起きてしまう不思議。ただの貧乏症なのでしょうか。気持ちばかりが焦りますが、それでロープウェイが速くなるわけでもなく。。。しかし!無事15時の2分くらい前にしっかりと麓駅に到着できたじゃないですか!結果よければすべてよしです。

 麓駅を出て、さあバスはどこだ?
 と見回してもバスは見当たらない。
 だ〜いぶ遠くの方におりました。

 そうだ。300mくらい離れてたんだった。。。
 時間はあと1分くらい。
 間に合わないと走り去っていく姿を見ることになるのか。
 しかし!300mならまだ36秒で走ることができるッ!
 行け〜!

 少ないとは言え荷物分を計算に入れておりませんでした。。。
 バスに乗れた瞬間に汗だく。
 でも、中距離走者でよかった。

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