Report

— 過去に撮影した作品の取材レポート。撮影時の舞台裏を、約2週間間隔でほのぼの更新。

レポート103
24 Jun 2023更新

2012年6月24日 撮影・「(谷川岳の)朝日岳」


 ようやくもうそろそろで花の動画が仕上がるのですが、BGMをあと3分ほど作って、色をつければ晴れて完成!なのですけども。昨年夏から秋にかけてせっせこと撮って編集まではしていたのですが、ここにきて6月になってしまい、ちょろっと今年も足を運んだら撮ってない花に遭遇してしまい折角なので追加することにしました。というか、してしまいました。なわけで追加された分のBGMを調節しなきゃいけなくて、う〜む、まずい、まずいぞ。その他にもまだ編集しなくてはいけないものをいくつか抱えているので正直山に行っている場合ではないのですが、恐ろしいことに今年の花は早そうで。。。稜線もぜんぜん雪ないし、もう咲いてしまうんじゃないかというくらいスタンバイモードに入っている感じでどうしたらいいものか。でもきっと、花の動画は気に入っていただけると思いますので、今しばらくお待ちくださいませ。というかその性格上、花に興味がある人しか楽しくないだろうし、花に興味がある人はそりゃ見てて楽しいだろうしで、まあ最初から結果はわかっているんですが。
 そんな感じで「時間がない!」と喚いている割には冬の間から困っていた肩の痛みが少しずつですが和らいできましたので、いくらかトレーニングにも気持ちが入るようになり、暑くもなってきたので練習後はすっかり体も頭も動かなくなって廃人状態で過ごす日もあったりと、相変わらずの怠け者ですみません。そんなこんなで気持ちが入ってきてスパイクも新しくしようかなぁと思ったのですが、買いたいスパイクがどこにも売ってない。いや、もちろん人気で品薄なのはわかるんですがとにかく手に入らない。ネットでは転売ヤーが大活躍で、なんだかガンプラ同様哀しい世界になりつつありますね。。。しかしながらちょろっと記録会に出るとそんなに速くなさそうな中学生まで履いている始末で「一体どこで手に入れたんだ。。。」と愕然としたわけですが、う〜む、もうちょっとそちら方面も気合を入れないといけないのかもしれません。
 さて、今回のレポートは谷川岳界隈からです。谷川岳の記事を書こうとすると、あれ?これって一度書いたんじゃなかったっけな、と錯覚してしまうのですが、本当にすでに書いてたらすみません。まあ確認したので大丈夫だと思うのですが、日帰りでもちょこちょこ行けるとこだし、とにかく回数が多いのでどうしても被っている感じがしてしまいます。と言いながらここ2〜3年は近づいてすらいないので、谷川岳の写真を見て思い出すと、ああ、また歩きたいなぁ。。。と思うのですが、実際歩くと案外道が悪かったり、きつかったり、暑かったりで痛い目に遭う訳なんですが、まあそれも良き思い出なのでしょう。
 撮影は2012年6月24日、このときは前夜泊日帰りで朝日岳に登りました。前年の夏にも撮りに来ているのですが、まさかの悪天候と水害の影響で登山道も酷く荒れており、そういうのの再撮、再チェックを兼ねての撮影です。
 前日はいつものように土合駅泊でございます。たしか何らかの陸上記録会に出て、そのままその足で向かったような気がします。ということは、いつも夕方ギリギリまで天気予報を見てから行くのにこのときは朝から荷物持って家を出たわけだから、天気に関してはかなりの自信があったわけだね。しかし良く覚えてはいないがそうなるとスパイクも背負って登ったわけだ。何と無駄な事を。
 てなわけで24日は朝3時半ごろ出発、駅の狭いベンチで寝てたものだから肩やら腰やらが痛いが歩いているうちに小慣れてくる事でしょう。暗いなかヘッドランプを着けて歩いて行きますが流石にこの時期、ちょっと経つと明るくなってくるので気持ちも楽ちんです。しかし早速暑いのはどうにもならないけど。
 とにかく松ノ木沢の頭まで出てしまえば苦行も終わり、半分は暗いなかでぼちぼち登り、5時半前ごろには到着致しました。前年は早速曇っていた谷川岳にこの日はしっかりと光が当たっておりました。樹林を抜けていきなり出てくる谷川岳の山容は本当に素晴らしいものがあります。ただ、冬に比べるとやはりやや勢いを失うのと、案外手前の樹木が雑然としていたり、ベッタリ順光だったり、暑さのため微妙にモヤってたりと、不満はあるわけなのですが、ともかく背が低いくせに堂々とした谷川岳には毎度感動します。でも正確には谷川岳と一ノ倉岳と茂倉岳なわけなんですが。谷川岳だけだと一ノ倉沢を真ん中に左パーツだけだし。
 そしてまたまた毎度やられるのが進行方向の白毛門であります。松ノ木沢の頭から見る白毛門はこれまた背が低いくせに素晴らしい姿でありまして、ナナメ横から浴びる朝日もバッチリです。これまた白毛門は笠ヶ岳まで行くと山というか単なる曲がり角にしか見えないのでしっかりと松ノ木沢の頭から眺めてあげないといけません。
 そんなこんなで30分は撮影してたみたいで、雲が上がっちゃまずいから先を急ぎます。樹林を抜けると気分も快適そのもので、スイスイと足取りも軽くなります。何やかんや途中でも撮影していたので白毛門山頂まで40分程かかってしまいましたが、到着です。ここからは笠ヶ岳と大烏帽子がまだまだ高く見えますからもうひと頑張りというところですが、何せ笠ヶ岳まで道がまっすぐ直登でついているのでちょっと気持ちが萎えるものです。よく白毛門からの谷川岳も眺めが良い、なんて言われるんですが、個人的には中途半端でやっぱり松ノ木沢の頭か笠ヶ岳まで行った方がメリハリがあって良いかと思います。もちろんダメじゃないよ。
 ということで、萎える気持ちをグッと堪えて笠ヶ岳到着です。ここはやはり先程言ったように、まず谷川岳。松ノ木沢の頭が真っ正面なら、ここはナナメ45度くらいの好位置です。なのでつまり白毛門山頂は22.5度なので中途半端だと言いたいわけだ。もちろんそんな正確じゃないしざっくりした個人感でございます。笠ヶ岳山頂のすぐ下には思い出深いカマボコ型の避難小屋があるのですが、うーむ、何度泊まったことか、と通る度に感慨深くなりますが、ここも泊る度に「こんなとこ泊まるなよ。。。」と思ってしまったり。もうちょいだけでも広ければ快適なんですが、毎度小屋から出る度に入口で頭をぶつけるんですよね。笠ヶ岳に着いた頃は微妙な高い雲が谷川岳の空に張り出して、またこれはダメか?と思いましたが上越側はすこぶる良いようで、ここから朝日岳に進む方向は青空が広がっておりました。誰もいない静かな稜線、初夏の爽やかな風、一番良い時期かも知れない。けど、やっぱりちと暑いか。

河童の川流れ

 笠ヶ岳まで登ってしまえば朝日岳までは快適そのもの、軽いアップダウンと足元の小さな花を楽しみながら歩いて行きます。ずんぐりした大きい朝日岳が今日の目的地です。前年にしっかり撮っていたのであまり気持ちは入れてなかったのですが、やはり朝日岳のホソバヒナウスユキソウはそこそこ咲いておりました。若干ながら終わりかけかな、という程度。前年はもうちょっと早い時期に大源太山から朝日岳、そして8月に今回のルートと夏シーズンに2度歩いておりますが天気はどちらも曇りで、とくに8月の方は大爆死でしたから、晴れて朝日岳に来られたのは嬉しい限り。まだ雪がたっぷり残る朝日ヶ原の湿原も絵面が本当に気持ちよくて、のどかな稜線、輝く雪田、青空に浮かぶ雲と「俺が朝日岳だ!」とか主張するものが一切ないのに絵になる風景が広がっておりました。今日はここから宝川に下りますが、うーむ、下るのが勿体無い。せめて大源太山まで行きたいところですが、なんとか気持ちを抑えて下山に取り掛かりました。
 この辺の山、登りはキツイですが下りも同じように急勾配なので一気に下っていけるから登ってしまえば気持ちはいいような。雪が残る稜線から、次第に新緑美しいブナ林を抜けて、徐々に大きくなる沢音を頼りに標高を下げていきます。途中一つだけシラネアオイが咲いていて、どうということもないのですがなんだか癒されました。シラネアオイって見つけると何だか嬉しくなるんですが、理由は多分、あの大きさかなぁ。何だか見過ごせない大きさ。まぁ、いいか。となりにくい大きさってあると思います。
 稜線から約1時間程でナルミズ沢と大石沢の合流点の河原に降りてきました。ここに来て今更ひとつ懸念点ですが、このまだまだ雪解けの時期、水量も多そうなので例の渡渉点は果たして無事に渡れるでしょうか。まあなんやかんやで6月も下旬ですから、さすがにどうにもならないなんてことはないでしょうけど。そんな不安をちょっぴりと抱きながら、いざ渡渉であります。見た感じはそこそこの水量で、まあ膝ちょい上くらいの深さかな。流れもぼちぼち強いので、転ばないように。まあ、行けるでしょう。対岸にポイッとシューズを投げて、半ズボン裸足で行ってまいります!

 お、なかなか水があるなぁ。
 膝上くらいになりそうかな?
 流れが強いから、負けたらまずいぞ。。。

 次の瞬間、ゴボっと一気に腰まで入ってしまいました。。。

 チョ!マテヨ!

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