Report

— 過去に発表した作品の取材レポート。撮影時の舞台裏を、約2週間間隔でほのぼの更新。

REPORT - 60
27 Dec 2019更新

雑誌 グリーンパワー・2017年12月号掲載写真「伊吹山」


 しかし今年は初冬から南岸低気圧ばかりで困りますね。おかげで日本海側より太平洋側の方が天気が不安定の日が多いです。冬らしくない。そろそろお正月にかけて強い寒波が来そうですが、どうでしょうか。私も撮影に山に入ろうと思っていたのですがそういった天候の不安定なところもあり、加えてちょっとバタバタとしているところもあり、年明けになりそうです。何日かは天候の良さそうな日もあったので、ちょっと悔しい限りでございます。
 そういうわけでそろそろ何か新しい企画を、、、と少しずつ準備しているところですが、レポートがやや遅れましたのはとある朝ですね、いつものようにPCを立ち上げてメールを確認して、、、というところでPCがフリーズ。まあ焦ることはない。強制的に電源切って、、、と、立ち上げて、、、、立ち上げて、、、立ち上がらん??何時間どーうやっても立ち上がらん!!!ということであたふたしてレポートどころではなかったのでございます。すみません。でも、焦らない!どうしようもなければタイムマシンというバックアップ(Macです)で復元すりゃあー、まっさら元通りなわけですよ。ということで何時間かかけて1日前の22時の時点に復元!さーて、とメールを開くと。。。。今までのメールがすべて空でございました。。。。で、でも、焦らない!よくあることなんだからッ(汗)!焦るな!ここからまたタイムマシンでメールだけ個別に復元、っと。
 ということで無事?あれ?12月13日までのメールしかバックアップされていない。。。20日くらいに海外サイトで撮影機材を購入したのでなるべくならメールが残っていて欲しかったのだが、、、、まあ無事届けばいいか。。。。ん?何かおかしくないか。。。?12月13日の前の日付をよく見ると、、、「2018年」と書いてある。今年は2019年だよなぁ。二度見三度見しても「2018年」と書いてある。どうやら、1年分のメールデータが消えているようである。。。そしてその1年分は復元どころか選択すらできない、、、、なぜか空なのである。。。とりあえずポルナレフ同様何が起こっているのか全く理解できなかったので、部屋に置いてある片方18kgのダンベルを両腕に握り締め、何回が上腕二頭筋に負荷をかけてみたが、、、、、、何も事態は変わらなかった。1年分のメールデータをすっ飛ばす、というスタンド使い爆誕の瞬間であった。
 何でしょうね、この得も言われぬ感情。自分はここにいる!が、ごっそりとメールがなくなると何だかとても大事なものを失ってしまい、情けなくもおろおろとしてしまいます。決して過去に生きているわけではありませんが、アルバムが失われた喪失感は大きいです。というか思い出とかいうレベルじゃねーぞ、この1年の新しい取引先のメールアドレスとかなくなっちゃってもうわからんし。スマホに移している分もあるけど移してなかったりも多々あるので、なくなっちゃったし。でもなんだかどうしようもないと、もういいや!と吹っ切れちゃいますね。そうだ、明日から第二の人生を歩もう!と。いやいや、本当にそれでいいのか。。。?でも仕方ない。。。とりあえず今年1年間でメールを下さった方々、申し訳ございません!消えました!よいお年を!
 さて、気を取り直して!今回の写真ですが、冬の伊吹山でございます。標高こそはまさに「低山」と言っても過言ではない高さの山でございますが、結構な面構えをしておりますのでドスーンを堂々とした山容は目を引くものがあります。そして冬は雪雲がぶつかる場所でございますので結構な雪山になりますので、雪をかぶった姿がまた美しい。嘘くさいけど世界最深積雪記録を持っている剛の者でもあります。でも最近は雪はなかなか少なくて、なかなか積もらなかったりとしてますが、、、、今年はどうでしょうか。ってライブカメラ見たら雨降ってるし!雪全くないし。
 このときはちょうど5年前、2014年12月27日の撮影になります。夏はお花の山で有名で、まあ車で上まで登れてしまうのですが、冬は当然麓からの登山となります。日帰りの行程ですがさすがに東京からだと無理があるので大垣で前泊、翌朝に最寄駅の近江長岡駅へと向かいました。雪の状況と天候を待って、待って、待ってたら混みそうな週末に当たってしまったのですが、まあ、、、雪山だし、そんなに人はいないんじゃあないかな、、、、と高を括って近江長岡駅から伊吹山登山口へと向かうバスに乗ろうと駅を出たら、、、!!もうインドのバスみたくなってる!!恐るべし西日本である。
 何となくです、何となく思うのですが、西日本や中四国九州の人の方が本当に山に親しんでるなぁ、と訪れる度に思います。標高が高い山が少ない、と言えばそれまでですが、別に「登山」というジャンルにこだわらないで山を楽しんでいる気が致します。スリーシーズンなんか週末だからとか、晴れたから、とかでスニーカーで登りに来る。素晴らしい。いちいち登山やってます、とか、趣味が登山ですとか言うでもなくただ近くの遊び場ということで登っているような。もちろん環境が変わったり、そのままのペースで高い山に行くと大変かもしれませんが、登ることに抵抗がないというのはいいことだと思います。当然その先も登りたければ順々にレベルを上げていくんでしょうし。一方、東日本は別にまったくの逆というわけではないですが、ちょっと体力があればハイキングレベルの場所でもはじめからフル装備、というような印象を感じることが多かったりします。雲取山あたりでも普通のTシャツにスニーカーで歩いていたら「山を舐めるんじゃない!」と怒られそうな。。。まあ若い頃は30キロ超の荷物を背負っていてもナイキのアクアソックで歩いていた私の意見は全く当てになりませんが。。。アクアソックは裸足で履いていたので雨の日に濡れてもどうでもいいし、軽いし歩きやすかったです。ただ、岩に当たると無茶苦茶痛かった。。。
 ということでインドのバスに話は戻ります。どう見てももう屋根に乗るしかない?という混雑ぶり(いや、インドならもうすでに何人も屋根に乗ってるだろう)。なので躊躇せず目の前のタクシーに乗り込み、ガーッと登山口へと向かいました。登山口9時スタート。初めはまったく雪がなく、2合目あたりからぼちぼち出てくる感じです。とにかく登山者が多いので、今回の撮影目的である頂上台地にできるだけ早く歩いて人を抜かして向かうことが求められます。何せあの広い台地をわらわら人が歩いてしまっては、撮るところがだいぶ減ってしまいます。
 3合目でドーンと伊吹山が目の前に出てくる感じで、雪もそこそこ積もってきておりました。人工物も多いので大自然という感じはまだまだありませんが、真っ白に輝く伊吹山を見るとワクワクしてくるものがあります。6合目の避難小屋までは斜度もたいしてないので、足周りはそのままのノーマル装備で歩いて行きました。6合目からは頂上までグッと一気に斜面を登っていきますので、スノーシューを装着。多くても膝下くらいの積雪しかないですが、雪の斜面はやはりリフターを立てて上がっていくのが断然楽でございます。他の登山者を見渡すと誰一人スノーシューを使っておらず、みなさんアイゼンだったのでなんとな〜く自分が過剰装備の様な気も致しますが、でも楽なんです、これが。
 登る時の姿勢がちゃんとしていた方が確実に負担が少ない、と私は思うわけです。アイゼンだとこういう雪の斜面は足首が曲がってしまい、足首が曲がるとそれを膝でバランスを取ってしまい、膝が曲がると腰が曲がる。曲がった腰はその体勢で荷物を背負うわけですから無駄に体力を使わなくてはならなくなります。リフターを立てると足裏の接地は水平になり足首が曲がらない、足と脚は90度の角度で垂直に地面に力がかかり、その上にそのまま垂直に腰が乗っかる感じです。そうすると荷物は足脚腰で支えるので重量を分割できますし、腰が前傾しないので背筋も無駄に使わない。まあそのかわりスノーシューが重い、という欠点はありますが、その辺は日頃から100kg以上のスクワットトレーニングでカバーしてください。とりあえず次の日の負担も少ないので、こういう斜面はスノーシューに限る。とは思うのですが、使っているのが自分だけだとちょっと恥ずかしくもなってしまったり。
 6合目からは頂上の台地まではちょうど1時間くらいでした。そこまではずっとまっさらな斜面なので、台地が全く見えないというのが楽しいですね。登り上げたら一気に視界が開ける、というのは歩いていて期待感が高まります。標高を上げていくと昨日までの悪天で付いた霧氷が綺麗でした。低木も多いのでまるでサンゴのような感じ。こういう小物をゆっくりと撮影したいのですが、、、続々と多くの人が登ってくるので急がなくてはなりません。
 ちょうどお昼頃に頂上台地に到着。乗り上げた瞬間目の前に広がる雪原。見渡したところまだ人影は少ないので今がチャンス、とばかりに急いで撮影ポイントを探し回ります。このときはとある雑誌の連載の撮影も兼ねており、「撮れなかった」では済まされないのでより焦ります。その連載のために同行者を一人連れてきていることもあって、お金の面でも焦っております。だだっ広い雪原はそのまま撮っても暇でつまらないですし、眼下に見える琵琶湖を入れるのは決めておりましたが、何か手前に素材を入れられればと探し回りました。となると先ほどまで綺麗だった低木の霧氷がいいなぁ、、、と。
 ということで今回の写真です。霧氷というかもはや樹氷、ミニなモンスターになっていますが手前に入れるには良い素材です。標高の割に季節風が吹き付けるという環境を表すにはうってつけのものでした。台地の中でも登山口方面のやや南側、山頂へ向かう登山者が続々通っても画角に入らない位置だったのもよかったです。今回の写真のように風景だけ撮るぶんには難しくないのですが、同行者を立たせて人物込みで撮るのはなかなか難しかったです。高低差も出せないので人が近いと大きすぎるし、離れると何だか山の大きさとマッチしないし。。。雪原というのは平たくて広いのは現場感覚としては良いのですが、人物込みで撮るとやたらつまらなくなったりします。立体感が出しにくいので絵が単純になりすぎるんですね。脚立があるだけでもだいぶ違うのですが、さすがに持ってきておらん。
 天気は先ほどまで晴れておりましたがぼちぼち雲も流れ始めており、結構ギリギリでの撮影となりました。向かいの霊仙山は雲で覆われていたので運が良かったです。とりあえずの必須撮影を終え山頂へ向かい、そこからさらに東側へちょっと下ってシュカブラ探し。麓を見下ろすと街の積雪はゼロ、ちょっと登った山頂は結構な積雪面白いものですね。麓も雪国だと大変だな〜と思いますが、これだけ手軽に雪山が楽しめる地元の人が羨ましい。玄関開けたら2分でご飯とはこのことか、と実感致しました。
 下山はさすがにダダ下がるだけなので早かったです。3合目まで戻ってきたときに、これから登りに行こうとする登山者がいました。たぶん上までは行かないと思いますが、ちょっと来てみたという感じなんでしょうね。こういうのも好きです。散歩がてらというか、登頂という強い使命感で必死になるわけでもなく、山を楽しんでる感じが致します。犬連れてたし。というか犬の散歩だったのかな?というかホームセンターで売ってる大きいソリも持っていた。まさか9合目から滑るのかな?結構スピード出そう。。。というか犬も一緒に乗るのかな?とりあえず楽しそうである。私も次に来るときはあのソリを持っていきたい、と心から思いました。

必死の抵抗

 2合目まで下ってくると、雪はほぼ融けて道はグチャグチャの泥道になっておりました。こういうところはさすがに雪国の方がイイね。。。登山口に出るとみなさん水道で靴の泥を落としているという、こういう山あるある、である。もちろん水道にはちゃんとブラシ付き。帰りはタクシーでちょっと寄り道して戻りました。せっかく遠方に来たので撮れるものは撮って帰ろうと、近くの伊吹山撮影ポイントの三島池へ。夕方には雲もすっきり取れて、最後は薄暮の紫伊吹山も見られました。武甲山同様石灰岩の山なので削られ具合が痛々しいですが、それでも山の威厳というか、魅せるものは失わないところが素晴らしい限りです。
 望遠で山肌を見てみると、さきほど登った斜面がトレース共によく見えるのですが、この角度で見るとなんだかすごい斜度ですね。こんなところ登ってるの?と思いますが、まあ見る角度が成せる視覚トリックみたいなものですよね。年明け放送の槍ヶ岳も穂先を登る映像は「何だかスゴイ」ですが、実際は視覚トリックであんな壁ではないですから安心してください。そういえばNHKのサイトで年明けドローン大縦走のCM映像が出ておりました。ただし、槍ヶ岳の方は滑ったら死ぬかと思いますけど。
 話は最初に戻ります。メールが消えたのが諦めきれず、二日ほど必死の抵抗を試みました。いや別に子供みたいに「嫌っー、やだー」と駄々をこねてたわけではありません。でもやはり、なぜかメールデータだけ、1年分バックアップされていないのです。他のデータはしっかり残っているのですが。。。もういいや、なんて思ったけど何とかならんかな〜と時間ばかりが過ぎていく。

 でも、もういいや!

 海外の買い物は無事届きました。

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