Report

— 過去に発表した作品の取材レポート。撮影時の舞台裏を、約2週間間隔でほのぼの更新。

REPORT - 55
20 Sep 2019更新

山と溪谷2017カレンダー・季節の山めくり「天狗岳」


 ようやくですが少しずつ涼しくなってきましたね。とは言ってもまだまだ朝晩だけのような気が致しますが。。。もうそろそろでお山は紅葉の時期を迎えますが、果たして今年はどうでしょうか。昔に比べたら綺麗な紅葉が見られることが本当に少なくなってきていますが、きっといつかは、と懲りずに毎年期待しております。なので正直なところ、下界も含めてもうちょっと冷え込みがあって欲しいところなんですが。北海道は順当に雪が降ったみたいですので、本州も頑張っていきましょう。
 それでも、紅葉が始まるとホントに駆け足で季節が変わっていくんですよね。あと半月で山の稜線上では一気に気温が下がるのですから、不思議なものです。そして気がついたらすっかり秋も終わり、冬になっているという。とても短い季節ですので、今年も大事にいきたいと思います。紅葉がベストの状態で撮れる回数って実は相当少なくてですね、もちろん1年で何日か、となると一生の中でも実は数えられるくらいしかなかったりするわけです。おそらく撮りたい紅葉の写真を生きてるうちに撮り尽くすことってかなり難しいと思います。年を取って病床で、どこどこの紅葉が撮りたかった、、、、とか上の空で言いながら、志半ばで人生を終えるんでしょうか。否!そんなことはない!きっと年を取っても、陸上トラックでスパイクを履いて元気に走っているはず!って写真撮らんでいいのか。
 ところで、今年8月に撮影致しました「NHK・BSプレミアム・にっぽん百名山」の光岳が9月23日月曜日午後7時30分〜午後8時に放送されます。これ以上ない天気に恵まれ、魅力ある光岳の山旅をお楽しみいただけるかと思います。今回はにっぽん百名山のレギュラー回ということでドローンの撮影監督はやっておりませんので、番組の展開がどうとか、もっと追い込め!とかではなく、生暖かい目でご覧になってください。光岳って聞いただけで地味な感じがするかもしれませんがきっと、行ってみたい!と思っていただける内容になっているかと思います。
 ドローン大縦走につきましては先日放送致しました「黒部源流の山々」が同日23日午前9時15分よりNHK総合にて再放送されます。ということで23日は皆様一日を通してよろしくお願いいたします。ちなみに翌週30日にはドローン大縦走のスピンオフ、八幡平から岩手山を含めた「にっぽん百名山2017秋スペシャル」もBSにて再放送するそうです。
 さて、今回の写真ですが、そろそろ秋らしく、、、ということで八ヶ岳は「天狗岳」をチョイスさせていただきました。撮影は2008年9月23日、もう11年も前になるんですね。若かったんだろうなぁ。。。でも今でもよく目に焼き付いている景色で、11年も前のことのようには思えません。印象深かったものは、まるですぐ近くにあるように感じるんでしょうか。はたまた何だかんだで黒百合にはぼちぼち足を運んでおりますので、実は見慣れてるだけだったりして。でも天狗岳のこの景色、大好きです。
 このときは雑誌の依頼取材で来ていたんですが、私一人でした。もともとは夏号用に編集の人がモデルで北八ヶ岳をテント泊する記事の取材だったのですが、天気の都合が悪かったり、ちょっと仕事が立て込んだりであれよあれよと先延ばしになり、行くのかな〜行かないのかな〜とかしているうちに9月に入ってしまい、ようやく連絡が来たと思ったら「すみません、忙しくて行けなくなっちゃいました。使用するテントを送るんで、お願いします!」って、アンタ。「で、モデルさんは?」と聞くと、「う〜ん、多分西田さん!一人でもやれるでしょ!」って、アンタ。セルフ撮影かいな。。。思わず笑っちゃいました。受ける方も受ける方である。
 ということで天気を見計らって入山。コースはというと、北八ヶ岳をまあ適当に、と依頼されました。なんちゅういい加減さだ。しかしこの適当さが実は北八ヶ岳には合っていたりしたから、案外的外れでもないところがさすがである。でもだからといって、編集の人と来ていた方がもうちょっとしっかりと歩いたと思われる。というくらいさらにテキトーな気分で歩かせていただきました。お目付役はいないわけだし。まあテント泊がメインだから、話が作れればピークハントよりも徘徊系のほうが楽しいはず!と勝手にテーマを決めて。
 入山は9月22日。天気は雨のち晴れということで、遅くても夕方前には晴れてくる予報でした。雨の中歩く気はさらさらないのでゆっくりと東京を出発、ピラタス蓼科ロープウェイ(現・北八ヶ岳ロープウェイ)に乗り、お昼に坪庭に到着。ちゃんと歩かずにロープウェイでテント泊入山を決めたのは何のことはない、ただ楽できるからである。しかし理にかなっている(言い訳)。北八ヶ岳は苦行を楽しむところではない、だったらとにかく気軽に楽しむべし、なのである。と言いつつ到着しても雨だったので、早速歩き出す気もなくコーヒーを飲みながら駅舎から外を眺めておりました。まずいな。この日は北横岳経由で双子池に行く計画だったが、時間が押してきたので面倒になってきた。というか展望もないまま行っても記事にならんし。
 という訳で北横岳を回避、雨池峠から林道経由で双子池を目指すことにした。っていうかこのコースだとずっと平坦だから、ホント何もただ歩いているだけだ(笑)。まあとにかく考えても仕方ない。とりあえず雨は止み、サルオガセが垂れる鬱蒼とした樹林に柔らかな光が射し込み始めた。何とな〜く雰囲気で記事にしていこう。と言いつつモデルが自分なだけに、撮影時は毎度毎度三脚を立ててセルフタイマーをセット、撮影ポイントまで走って、カメラに戻って撮れてるか確認、と大忙しである。せっかくだから望遠レンズで背景ボカシも撮ってみようって、自分にピント合わせるのが至難の技!こんなことやってたら日が暮れちゃいます。
 双子池に到着し、誰もいない湖畔にテントを張った。毎度のセルフ撮影が恥ずかしいので、誰もいなくて心底よかった。。。ほのぼのと湖畔で過ごし、晩御飯の支度をする。買ったばかりのiPodnano(当時はiPhoneが出たばかりでスマホなどない)のイヤホンを耳に当て、気持ち良く音楽を聴きながら景色を楽しむ。。。はずが、iPodnanoがなぜか全く反応しなくなった。おい!動け!頼む!
 日が暮れ、空には星が広がり、湖畔にはただ静けさがだけ漂う。これこそ大自然の荘厳さ。邪魔な音などない(iPodnano復帰せず涙)。とりあえずこの真っ暗な空間にポツンと光るテントがひとつ、この雰囲気がよかったので撮っておいた、らこの写真がこのときの雑誌の表紙になってしまった。当時はようやくデジタルカメラを雑誌で使い出してからそんな経ってない頃だったので、星空とテントと人、というデジタルだから撮れる写真というのはちょっと珍しかったかもしれない。今じゃ当たり前すぎるほどになったけど。
 一夜明けて23日、朝から快晴である。朝からセルフ撮影なのが面倒だが、ともかく絵になりそうな一日っぽければこれ以上言うことはない。さすがにどこかピーク踏まんとさすがに怒られそうなので、双子池から昨日登らなかった北横岳へと向かった。樹林の道を登り、それっぽい写真を収めていくが、、、当たり前のことであるが、気がついたら坪庭に戻ってきていた。なんだこのコース取りは。本当に徘徊ではないか。あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!坪庭からスタートして北八ツを旅していたら半日で坪庭に戻っていた。。。う〜ん、さすがに雨を回避したとはいえ、これでいいのだろうか。いや、これが北八ツなのだ(強引)。これはもはや、私がこのコースを選んだのではなく!このコースが私を選んだに違いない!ということでせめてここから大展望を楽しみながら三ツ岳や縞枯山に登ればいいものを、道をまっすぐ雨池へと向かった。どこまで楽したいんだ、お前は。
 いや、違うんです。個人的に北八ヶ岳の池の中でも、一番手がつけられていない雨池が私のお気に入りなので、ここは外せないと思ったからなんです。初めて雨池に行ったとき、その雰囲気に甚く感激しまして、ここは外せないと。言う割には撮影カット数は多くはなかった。そしてまた樹林帯を歩き、麦草峠へと向かう。おい、樹林帯ばかりだな。
 なぜかおしゃれな空気感が漂う白駒池を半周してニュウへと登る。やはり展望のいいところなのでぼちぼちの先客がおり、撮影するのにやや時間がかかった。今でこそスマホや棒で自撮りは普通になったが、当時ではセルフ撮影はちょっと抵抗がある。いやいや、ポーズを決めてのセルフは今でも変な目で見られるか。とりあえず恥ずかしい。岩場に身を潜め、人がいなくなるまで結構〜時間かかりましたよ。この日は黒百合ヒュッテまでと決めていたので、もうすぐそこである。ホント何だか登ってないなぁ。
 黒百合平に着いたのは午後3時20分。結構時間がかかった。歩くだけならあれだけど、撮影時間が長かったんだろうか。天気はかなり良かったので、これは天狗岳を撮っとかんとと思い、テントをササっと張って小屋前から奥庭へと登る。登ってすぐのところ、まあ定番ポイントではありますが、これが今回の写真です。
 時期的にはだいたいちょうど真東から太陽が昇って、真西に太陽が沈みます。奥庭から天狗岳は北側から真南に眺める感じ。ちょうどいい感じに真横から西日が天狗岳に当たって、キラッキラしていました。まだ紅葉の最盛期とはいかないまでも、山頂付近はそこそこ色が出始めており、ダケカンバの黄色がよく目立ちます。昨日までの雨のおかげで摺鉢池にもしっかりと水が溜まり、理想的な天狗岳の風景が広がっておりました。もうテント泊記事のことなんかそっちのけです。でも11年前の写真、今だったらもうちょっとこう撮りたいなぁとか、右上の雲ももうちょっとスッキリしていたらなぁ、とかありますので、見ていると撮り直したくなります。特にこのときは紅葉が綺麗だったから、なおさらです。またこの時期に撮りたいなぁ。天狗岳って冬がすごい人気ありますけど、私はこの時期が一番好きです。3年前の秋にも行ったのですが、ちょっと時期が遅れてしまい紅葉が終わっておりました。また、池の水も少なく見栄えは微妙。天気、紅葉、水量とうまく条件が揃わないといけないのでなかなか難しいですが、生きてるうちにまた出会えたら嬉しいです。「生きてるうち」なんて言い過ぎかもしれませんが、美しい景色に「また」出会うって、そのくらい難しいんです。
 翌24日も朝から快晴。テントを畳み、新しい日を歩き出します。と思ったら中山峠からまさかの早朝下山を決める。天狗岳すら登らんのかいってツッコミがありそうないい加減さ。なぜ登らなかったのかは11年経った今でもわからない(笑)。天狗岳登って、本沢温泉経由で稲子湯に下ってもよかっただろうに。なぜだろう。推測だが、、、これで十分記事が書ける!と思ったのだろう。場合によっては天狗岳登頂が蛇足になることもある。ただ山を歩く、山を彷徨う方がテーマに沿ってるとかはずと考えていたのかもしれない。それとも、ただ面倒だったのかもしれない。。。まあそうだとしても、この印象は強く残っているし、何より楽しかった。山にいるだけで楽しい気持ちになる、なら本当にそれだけでも、登頂しなくても楽しいのではないか?体を酷使するばかりが登山の楽しみじゃないはず、というのを実践したような、そんな感じだった。
 帰りの佐久平行き小海線の電車の車窓からは、黄金色になって頭を垂れる稲穂の景色が美しかった。澄んだ空気のその先に、くっきりと浅間山が見えていた。また、登りたいな、と思った。決して今回が消化不良だったわけでなく、満足したからこそ、心の底からそう思った。
 過去のカレンダーを見る限り、帰宅後に夢の島陸上競技場へ向かい夜練をしている。600m×2本。やはり、、、、何か足りなかったのかもしれない。

小足見てから昇竜余裕でした

 さて、前回のレポートにもお書きしました通り、9月13〜16日に行われました全日本マスターズ陸上選手権に200m、4×100mリレー、4×400mリレーで出場してまいりました。個人種目の200mでは23秒40で4位、とちょっと不甲斐ない成績でしたが、まあ専門外種目ということで言えば善戦したところでしょうか。私は毎年4〜5月がいつも調子良くて、夏にはやはり結構山に登りますからスピードが低下し、なんとか10月くらいにようやっとまた本調子に戻ってくるようなサイクルでここ何年か生活しておりますので、やはりちょっと間に合わなかったようでございます。専門の800mは9月開催という時点で出ても絶対満足いかないので回避、というところもあるんですが、まあそれと別に今回は4×100mリレー、4×400mリレーに出るということで、そちらに専念というのもありました。ということで200mは半分お遊びなのですが、まあそれでもやはり悔しい。22秒台出せたら200mは人生でこれにて終了にしようと思っておりましたので、これでまた先に延びてしまったか〜という感じです。ちなみに自分の組は風が+1.5と表示はいいのですが、どう考えても向かい風でございました。同組の皆さんもそこはちょっと不満でしたようで。でも200mはレース経験不足、というのが大きいですね。組1位の方は昨年の王者で、結果的に0.1秒しか離されませんでしたが、最初の50mで抜かれる始末。私は120mくらいになってからようやくエンジンがかかるので、やはりちょっと間に合わないですね。スタートでドカーン!というパワーが私も欲しいところ。こればかりは800m選手だとやっぱりちょっと弱い。。。エナジードリンク飲んでも、ユンケル飲んでも、やっぱり爆発力がないなぁ、、と思いました。かといって長距離も性に合わないし、やっぱり中距離選手という中途半端な生き物です。
 4×100mリレーはアンカーを走らせてもらいました。全日本大会といってもM40クラス(40〜44歳)で6チームしか出ておりませんので、、、、価値があるのか不明ですが優勝しますた。1走でほぼ勝負がついていたので、あぁよかった、余裕だぁ、と見ていたら1走から2走でややバトンミス。でもそんなひどい感じではないので余裕余裕。そしたら2走から3走でもバトンミス!おぉ?っと自分に来たときには2位になっておりました。バトンは決して上手ではありませんのでどちらかというと私のところが一番の懸念箇所でしたが、本番に強いのか何とか上手くいって、そのまま抜かして1位を取ることができました。何だか皆様がミスした分、私がおいしいところを頂いた感じになりまして大変恐縮でございます。
 さて、本題の4×400mリレー、通称マイルリレーでございますが!思わず「News」欄にも記載してしまった通り、無事日本新記録を樹立することができました。こちらもアンカーを走らせていただき、またまたおいしいところだけ頂いて大変恐縮です。今までの記録3分30秒42を2.71秒縮める「3分27秒71」というタイムは400m一人あたり約51.9秒で走らないといけません。おそらく10年くらいは破られないかと思うのですが、どうでしょうかね。何せ40過ぎの速いおじさんを4人集めなくてはならないというのが難しいと思われます。
 レース自体は一個下のクラスのM35(35〜39歳)も一緒の組だったのですが、何とかそこにも勝つことができました。せっかく日本新でゴールして組2位だったらちょっと哀しいね、とチームで話しておりましたので、そこもクリアできて満足です。その組2位のM35と約1.7秒差でバトンを受け取り、結果的には2.43秒差をつけてのゴール。バトンをもらった瞬間に日本記録の更新は確信できましたので、本当に他のメンバーのおかげで楽に走ることができました。走り出した瞬間に電光掲示板を見て「2分36秒」。これが「2分38秒」とかだと結構なプレッシャーがかかってきます。が、失敗しても53秒で走れればいい、となるともうホント気持ち楽チンです。感謝感謝。ということでのびのびと走らせていただきました。で結果的には50秒8で走ったという。
 東京チームは補欠を含めて本当にレベルが高い。走った4人だけでなく、チーム全員がその座を競い合ったからこその記録とも思います。皆様に感謝です。なんだか個人種目よりも楽しいなぁとも思いました。ちなみにM40クラスの2位は神奈川で3分41秒20と、約100m差をつけるという嫌がらせチーム東京。稲田メンバー、古井メンバー、北尻メンバー、有馬メンバー、大塚メンバー、所長、本当にありがとうございました。何だかメンバーって書くと、ちょっと悪いことした人みたいですね。

 ところで、日本記録を更新すると一応本部に別途申請しないといけないそうで。
 当日係員の方が表彰式後に「今やっちゃえば楽に申請終わりますから」と。

 係員「つきましては皆さんの身分証明書をお願いします。」
 私「えっ?明日このまま山行こうと思ってたから財布が違うんで持ってない。。」
 メンバー「いや、車の免許くらいはあるでしょ。」
 私「いや、、、車の免許自体持ってない。。。パスポートは持ってるけど。。。」
 メンバー「じゃあパスポートでいいじゃん。」
 私「いやww、パスポート今持ってるわけないでしょwww」
 私「NHK出たことあるとか、、、、ダメ?」
 係員「全〜然ダメ。話にならない。」

 ということで、最後にミソがついてしまいました。
 日本記録、後日改めて申請させていただきます。

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