Report

— 過去に発表した作品の取材レポート。撮影時の舞台裏を、約2週間間隔でほのぼの更新。

REPORT - 49
18 Apr 2019更新

2016年発行ブルーガイド山旅ブックス「奥多摩奥武蔵日帰り山歩き」掲載写真「大霧山」


 実は、年が明けてからずっと体調が優れない。年末年始は結構長距離のタイムも良かったのですが、1月の10日ころからだろうか、なんだか寝ても寝ても寝ても寝ても眠い。しっかり寝たはずなのに朝起きると眠くてどうしようもない日が続いており、頭痛というかずうっと頭が重いので、ボールペンのお尻の硬く丸いところで頭のツボをグリグリと押し込みまくる毎日でございます。
 そんな中でも駅伝走ったり講習会で話したりと何とか切り抜けてる今日この頃ですが、もうさすがに4ヶ月、病院にでも行った方がいいんじゃないかと思いはするものの、短距離を走ると手持ち計測ながら100mが11秒7とか200mが23秒0とか出てしまい、何なんだろうかと。私ももう若くはないので自律神経系の不調かなぁとは思うのですが、そうはいってもいくらかは走れてしまうとまあいいか、と。病院に行っても「は〜い、お薬出しておきますね〜、ってこれプロテインじゃねーか!」となりそうでついつい面倒くさくなってしまうわけです。でもまあその程度なんでしょう。当面はボールペンに頼って生活していきますが、いっそのこと古代アステカの石仮面で脳を直接ガスッと突き刺したいところですが、しかしそうすると昼間は外に出られなくなってしまうというデメリットもある。まあそれもまた一興。
 ということのせいなのか、レポートが遅れに遅れてすみません。そろそろちょこちょこと桜が咲き出してしまったこともありまして、高気圧に合わせて出かけては撮りに行ってしまい遅刻しました。出かけてるんだから移動中に書けばいいのですが、夜行バスなどで遠方に行ったりで眠くてつい。
 桜と山の撮影は前の年から今年はこの山とこの山を撮る、みたいに決めておりますが、桜って咲き出すと一気に来たりしやがる影響で、この山とこの山って離れすぎてませんか?という大変な目に合うことが多いです。風景ではなく山の写真家なのであくまで主役は山ですから、まああるあると言えばあるあるです。エリアではなくて山で決めるとそうなりがちなわけです。予定を立てているときは楽しいんですが、いざ遂行しようという時に、誰だよこんな予定立てたの、となることが多い。好きでやってるから仕方ないのですが、だからといって楽なわけではない、わけですよ。まあ、桜はまた咲くし、来年でもいいっかな、と思い始めたら負け。気を引き締めて、まだまだ頑張ってまいります!でも、来年でもいいっかな。
 さて、今回の写真ですが、2016年発行ブルーガイド山旅ブックス「奥多摩奥武蔵日帰り山歩き」からのちょっとおとなしめのものをチョイス。撮影は2015年4月16日、奥武蔵は大霧山に登る途中でのワンカットです。低山を歩くときは作品撮りというよりかはガイド撮影の方がどうしても比重が多くなってしまいますので、一日に少なくても2つの山を歩くことが多いです。このときは午前中に日和田山、午後にこの大霧山を計画致しました。全然縦走でもないところが謎のチョイス。ともかくそういうわけで早朝に自宅を出て、7時20分ごろに到着の高麗駅から出発でございます。
 スタートから何やらやたらテンションの高い駅前のトーテムポールに迎えられ、まずは曼珠沙華で有名な巾着田へ。なんてことない小道を歩いていきますが、こういうところが低山ハイキングのいいところですね。里歩きと言いますか、高い山だと何でもかんでも大・大・大自然になっちゃいますが、人と山の中間の雰囲気と言いましょうか、山はあくまでも人里からの延長線上という感じが致します。
 まずは日和田山と菜の花畑の撮影に入ります。桜はもうしっかりと終わっておりましたが、目当ての菜の花はちょうど見頃のご様子。日和田山はド低山でございますが、しっかりと高山を撮る気持ちで撮らせていただきます。低くても山は山、ちゃんとキャラが立つように撮影しなくては失礼に値します。とはいえ、やはり日本アルプスの山がビグ・ザムやジオングみたいなのに比べるとボール並みなのは決して否定しない。というかぶっちゃけ日和田山というか、菜の花畑で誤魔化してる気がしないでもない。日和田山のメイン撮影を終え(まだ登ってないのに)、サッサと登って行きます。
 瞬殺である。登山口からは10分というところ、どちらかというと巾着田から登山口の方が長い。決してクロックアップを使ったとか、そういうのではない。しかしである、この大展望感。まあこれが低山のいいところだと思う。大した労力かかってないのに、何かやった感。ちょっとしたリフレッシュにはうってつけである。金刀比羅神社の鳥居の立つ展望台からは富士山が見え、その右に特徴的な形の奥多摩の大岳山が見える。ってことはその右が御嶽かぁ、と秩父から見る奥多摩、というのもなかなか乙である。思いのほか近い。
 低山歩きのいいところとして、眺めのいいところからの景色を見ると里が近いだけあって頭の中で地理を理解しやすいというようなことがある。各街の場所も把握しやすいし、ゼンリンのマップを、いちいち見なくても脳内で再生できるというか。いや、決して家一軒一軒の住人の名前までわかる訳ではないが。真下を見下ろすと、先ほどいた巾着田の黄色い菜の花畑が見える。結構遠く見えるのはなぜだろう。
 さてお次は物見山だが、一旦道路に出る。こういうのも案外嫌いではない。安心感なのか、テキトー感なのかわからないが、とにかく気合いはいらない登山な訳だ。そのくせ物見山からはちょっとした樹林歩きなんかもあって山登りをしている気分になる。じっくりしっかり歩くのも楽しいけど、手軽にサクッと楽しむというのも肩が凝らなくていい。このときは北向地蔵からユガテへの道を取ることにした。気分で。
 ちょうど桜の見頃とぶつかったユガテは、まるで桃源郷かと思うほどキラキラと輝いていた。もちろん言い過ぎである。でも、決して言い過ぎではない程の、言い過ぎ(意味不明)。ベンチでは6〜7人グループのハイキングおばちゃんがキャピキャピと休憩していたが、それもキラキラと輝いて見えるほどだ(失礼)。しかし、こんな山奥(というほど山奥ではないが)によくこんな所があるものだ。私もゆっくりと休憩したいところだったが、午後の部もあるので後ろ髪を引かれながらユガテとおばちゃんを後にした。あとは橋本山でちょろっと展望を楽しむ程度で、基本黙々と東吾野駅へと歩を進める。駅に着いたのが10時40分だったので、何だかんだで3時間も歩いているという。瞬殺じゃなかったのか?
 東吾野駅から電車に乗って本日の第二部、西武秩父駅へ。バスの乗り換えもタイトなのでお昼は持参のコンビニのたまご蒸しパン1個です。しかしながらたった1個で370kcalもあるわけだから、十二分である。運動しないでこんなの食べたら、体おかしくなっちゃうよ。
 西武秩父駅から定峰へのバスに乗り、今度は大霧山に登ります。バス停からしばらく林道を歩き始めた、ほんと歩き始めてちょっと登ったところで今回の写真です。ほんと歩き始めたばかりだったから、三脚出すのすら面倒で撮るかどうか、一瞬スルーしようかとも考えたけど、何とか気持ちを振り絞って撮った、一枚(笑)。
 スルーする気もあったくせになんですが、こういうカット、結構好きです。いや、こういうの実際いっぱい撮ってるからこの時はスルーしちゃおうとか思ったわけなんですが、所謂イメージ写真、っぽいわけです。実際掲載の本でもそういうような使い方だし、場所を明確にしない故、よく言えば万能選手だけど、悪く言えばいつでもどこでも撮れる。でも、いつもの山の写真と違って、わかりやすいピークがあるわけでもないし、同じくわかりやすい稜線のスカイラインがあるわけでもないので、撮るときは広い場所からここぞと自分で思う一箇所を抽出する、という人それぞれな楽しい作業がある。山だと、ここしかないでしょう!くらいカット部分が固定されますが、こういう望遠切り取りはそういう感じじゃないわけです。まあ、桜がポイントではあるのでいくらかは固定はされているわけですが、ああでも撮れる、こうでも撮れると選択の余地は広いというわけです。
 でも振り返ってみると、こうして大霧山登山話とも繋げることもできるわけですから、決して場所の特定要素というものも失ったわけではなく、イメージ写真ではありますが、やはり大霧山での写真ではあるわけですね。どこでも撮れる写真に見えても実際は大霧山のここでしか撮れない。さらに言うなら写真一枚だけで完成される訳でもなく、実はこのレポートと繋ぎ合わせて語るまでがアート。。。いや、違うわ、それもう訳わからん。
 なわけで切り取りカットの撮影を終え、大霧山山頂へと向かいます。一旦ちゃんとした道路に出てから樹林に入って、なんだかよくわからないどこにでもいるダイダラボッチ伝説の看板に目を通しつつ先に進みます。右手に笠山と堂平山の景色が見えてきたら一気に急登。ぽこっと樹林が切り開かれた山頂に出ました。
 まあ、天気はバスを降りてからそうなんですが、午後の部はすっかりもう春らしいどん曇りでして、展望は利くもののちょい寂しい風景。山は見えているだけに惜しい。山頂には二人くらい先客がおりましたが、ひっそりと静かでいい感じでした。まだ木々の新芽はしっかりと生え揃っておりませんでしたが、これが青空だったらさぞ気持ちよかっただろうなぁ。。。ってにしても、この大霧山、北側だけ強引に樹林を切り開いているので展望がいいわけなんですが、いっそのことガッツリいっちゃってもいいんじゃないかなぁ。西側は木の合間から筑波山が見えるので、すっきりいったら結構いい景色ですよ。
 ということであまり長居もせず山頂を後にして、粥新田峠へ。これまた瞬殺。10分くらいでした。あとは山道を通りつつ道路に出たら、バス停に向かってだらだらと歩いて行きました。バスは約30分後に来るそうですが、だいたいこういうときはいつもゆっくりバスを待っていることをせず、なぜが一コマでもバス停を詰めていきます。とりあえず次のバス停まで、そこに着いてまだ時間があったらまた次のバス停まで歩くわけです。10円でも安く、という貧乏っちい気持ちはおそらく30%くらいだと思いますが(そんなにあるのかよ)、それよりもやはり、とりあえず歩いてその土地を感じようかと思うわけです。こんな造りの家が多いとか、細い小川が流れているとか、歩道が狭いとか、まあなんでもいいんです。何かそういう特徴というか、景色というか、とにかく歩かないと見えてこないものってあると思いますから。

元気出せよ

 とりあえず無事に落合橋という交差点まで歩き、ちょうどあった売店で定番のチョコモナカジャンボとコーラを買って、食べながらバスを待ちました。チョコモナカジャンボは手も汚れないし、のちにゴミとなる外装も汚れない優れモノである。視覚的にはサンデーカップとかに手を出してしまいそうになるが、この後バスに乗ることを考えるとチョコモナカジャンボを選択するのは紳士の行いであると言えよう。

 橋場のバス停からちょっと歩いたところで、ひとつ、小学校が廃校になっていた。
 最近こういうのを見ると、どうもうるっときてしまう。
 賑やかだった時代があったんだろうな、とか。
 そんな当時の騒がしそうな感じを勝手にイメージして、そうしてひっそりとした現実を見ると、
 どうもつらくなってしまいます。
 自分が歳をとったからなんでしょうか。
 最近調子もよくないしなぁ。。。。

 あ、今年厄年だ。

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