Report

— 過去に発表した作品の取材レポート。撮影時の舞台裏を、約2週間間隔でほのぼの更新。

REPORT - 37
23 Aug 2018更新

2016年発行JTBパブリッシング「すぐそばにある!関東の絶景」・掲載写真「苗場山」

 

 さて皆様、8月11日山の日放送の「ドローン大縦走〜剱・立山〜」、いかがでしたでしょうか。昨年とはちょっと違って変化のあるコンテンツが目白押し、ということで見方によっては展開がめまぐるしいところもあったかもと思いますが、迫力の映像、お楽しみいただけましたでしょうか。実は昨年と大きく違いますのは拙の髪型でして、昨年はパーマがもりもりすぎたと方々からクレームがあったので今年はノーマルで行きました。普段からパーマをかけているんですが、本来はかなりのサラサラ直毛でして何もやらないと分け目もなくなっちゃったりしてしまうもので、、、と、それどうでもいいですね。のっけからすみません。
 皆様の反響によっては来年もまた、、、なんてこともあるかもしれません。一応私と致しましては、もはやドローン撮影というのは様々な番組で、とくに同じコンテンツでいうと他の山番組でも使われており、なるべくこの番組では他で見られないような、他とは違うような仕上がりにしようと、コースや撮影ポイント、コンセプト、構図などを練って撮影に挑んでいるわけですが、槍穂高、剱立山と北アルプスの猛者どもを終えた今、あとどこがやれんのよぉ〜と悩んでおります。黒部源流というと聞こえはいいですが、ずっと沢筋だと飽きられそうですし、、、常念山脈もいいけど結局それって槍穂高の展望という感じですし、、、、。そうか、あいつらが残っているな。。。。
 あと、近いうちに昨年の「BSにっぽん百名山スペシャル」での「奥羽山脈ドローン大縦走」も再放送致しますので、お見逃しの方はぜひ。絶景はアルプスだけにあらず、お願いだからここもドローンで撮影させてくれ〜という私の勝手な願いが叶った勝手な企画ですが、綺麗ですよ。
 ということで前回のレポートに引き続きの話ですが、私にとっては山の日は番組放送よりも大事な?陸上大会がございまして、区代表で800mを走ってまいりました。左足のアキレス腱痛は治るわけもなく、痛いまま強引に走ったわけですがとりあえず腱が切れなくてよかったです(汗。結果は2分2秒台と振るわなかったですが順位は4位で、6位まで得点が出るのでなんとか貢献できたようなできなかったような。天気予報では昼過ぎから雨ということで、暑さに弱いこともあってむしろ荒れてくれるのを期待しましたが(地上のランナーに比べるとおそらく荒れには強い)、そんなことも全くなく、猛暑でウォーミングアップから死にそうでした。
 でも、何よりもレース自体が面白かったです。日頃練習しているトラックでよく顔を合わせる800mで日本選手権に出てる1分49秒台の方がいるのですが、試合前にプログラムを見るとなぜか出場者にその人の名前が。お、おい!勝てるわけねぇ!!こんな地方アマレースにどこの区だよ呼んできたの。どんな無理ゲーだよ。これは例えるなら、とある地方草野球の試合にピッチャー大谷、バッター大谷、みたいな感じである。過去の大会結果を見る限り私にも1位のチャンスがあると思ってケガながらも意気込んでは来たのですが、いきなりもろくも崩れ去りました。というかさらに走者の中にもう一人持ちタイムが1分49秒台の人がいて、、、何というか、日本選手権体験レース、みたいな感じになりました(笑。まあタダで楽しめるんだから、これはこれでいい経験です。そりゃあ彼らがこんなレースでまともに走らないのはわかっていますが、でも同じレースで走れるなんて経験ないですから有り難い限りです。とりあえず高校生には負けないように、、、もはやそんな感じです。というわけでなんとか4位、40歳にしては頑張ったと思いますよ。けど終わった後、区の監督から「練習してなかったでしょ?」とお叱りを頂き、、、、お恥ずかしい。足痛いなんて言えないし、まあ棄権しなかっただけよかったです。というわけで私にとってはそんな山の日でした。
 さて今回の写真ですが、2016年発行JTBパブリッシング「すぐそばにある!関東の絶景」から、またも苗場山です。前は秋だったような。。。しかもその時も掲載写真はタテ写真だけど、このページで載せにくいからってヨコ写真を出したような。。。タテとヨコじゃあもはや別写真じゃん、、、って、まあ細かいことはいいんです。とりあえず季節を変えて夏の苗場山レポート、行きま〜す。
 こちらの撮影は2012年8月20日になります。雑誌の取材も兼ねての撮影でしたので、同行者付きの山行。苗場山というと爽やかな感じがしますが、お隣、魔の谷川連峰が近いですので、夏は雲の湧き上がりも早いです。ですので油断して朝自宅を出ると登山口に着いた頃には雲の中、、、となることが多いので、前日に越後湯沢まで歩を進めておきました。8月20日の早朝にタクシーで和田小屋へ入り、朝6時ごろに歩きはじめました。行程としては山上で一泊して赤湯方面へ下るので、日帰り組と同じ時間にスタートという本当にかなり早い時間のスタートですが、このくらいしないとすぐガスっちゃって写真が撮れなくなりますから、お仕事としては余裕を持った行動が必要です。でも早いがな。
 苗場山は大好きな山で、景色もさることながら気軽に入れるところが気に入っています。思い立ったら、という感じで入れてなおかつ山上に行くと広い広い天空の大湿原が楽しめる良き山です。欲を言えばもうちょっと湿原の木道を増やしていただき、さらに歩き回れることができれば嬉しい。まあ気軽にといっても祓川コースと小赤沢コースが気軽に登れるのであって、赤湯温泉経由は長く、つまりは実は案外山奥にある湿原なんですけどお気軽コースのおかげで近い山に感じるわけです。ということで山上に来ると労力に対して山奥感があり、夜は星もきれいだし、もっともっと登山者が増えてもいい場所なんですが、混むと困るのでこのぐらいでお願いします。
 なるべくさっさと登りましたが、やはり雲が湧くのは早い。山上湿原に着いたのは9時くらいでしたが、あと1時間持つかどうかというところ。まあこのくらいなら夏っぽくてちょうどよいとも言えますね。ちょうどワタスゲかいい感じで揺れておりまして、湿原は真緑というよりかはちょっとだけ秋色、そろそろ夏も終わり、、、みたいな感じが出ていてきれいでした。この到着して早速撮った写真が今回のものです。これといってたいした工夫とかはないのですが、山上湿原について少し歩いたあたりに絵になる池塘がありますので、そこでロックオン。
 強いて言えばこういうときに撮り分けるのが天部の詰め方。通常きれいな青空であれば、あまり空を入れると山が低く見え、湿原なんかは特に平べったくなって奥行き感が失われるので結構天部を詰めるのですが、こういうポコポコしたいい感じの、つまり絵になる感じの雲が湧いているときはそこそこ天部も入れて雲でも雰囲気が出るように構図を作ります。とはいっても入れすぎるとやはり湿原がだらしなくなったり奥行きがなくなるので、その辺が失われないように調節します。このあたりの調節をうまくやらないと、毒にも薬にもならない何の特徴もない写真が出来上がりますので、雲でどれくらい雰囲気を出したいか、結局のところ湿原や山をしっかり見せたいのかなど、何が自分は撮りたいのかをしっかりと把握しておく必要があります。
 ということで湿原を少し撮って、本日の取材は終わりです。は、早い!!まだ10時!とはいえガスってきてこれと言って撮るものもなく、いやテラスでのんびりできるのはいいのですが、小屋泊ですから晩ご飯までこれと言ってやることもなし。まあさすがに時間が勿体ないので、同行モデルさんを山頂湿原に残置して私は登山道の調査に行くことに致しました。私は動いて暇つぶしできますが、置いてかれる方はさぞかし暇だろうなぁ。勝手です。
 いらない荷物を同行者に預かってもらい、私は西側奥の坪場から平太郎尾根を下ります。麓までガーッと下山して時刻はお昼すぎ、今度は標高差約1200mを登り返します。と、そのとき!しまった!行動食まで上に預けてきてしまった!と時既に遅し。もはや登山口まで下っているのです。うおお〜、お腹空いた〜。まあ行動食自体普段からあまり持たないので、柿の種ひと袋とゼリーくらいですが、でもそれでも300kcalくらい、ないよりましです。近くに売店もなく、自販機があったからデカビタCくらい補給しましたが、体動くかな。。。とりあえず同行者を上に残しているし、登らなくてはならない。転送装置でもあればいいが、もういっそのことボーグのように何も考えずに登ろう。。。抵抗は無意味だ。
 とまあ、結局は持ち前の明るさで何とかしてしまうんですが、それでも情けなくも3回くらい、途中で座り込んだような。幸い雨が降りそうな空模様だったので、ただでさえ暑かったけど熱中症になるほどではなかったのが助かりました。苗場山のいいところはやはりテーブルマウンテン、ぼろぼろになりながら一歩一歩登り、小屋まではまだ遠いですが平らな坪場に戻ったときは、た、平らだぁ〜、助かったぁ〜と安心できるのが他の山よりも早い。喉もカラカラで本当に最後はクタクタでしたが、恥ずかしながら帰ってまいりました。この働き者!
 小屋に戻ると同行者は昼寝をしていた模様。この不届きもの!とりあえずコーラを一気飲みしながら、晩ご飯まで待てないのでカップラーメンを買いました。とにかくお腹が空いて空いて。でも胃袋が大きくなるわけでもないようで、カップラーメンを食べた影響で晩ご飯を食べるのがきついという、おやつ食べ過ぎた子供みたくなっておりました。いや〜生きててよかった。
 晩ご飯が終わり、まさかまさかの夕暮れ時に雲がスコーンと抜け、きれいな斜光に輝く湿原が目の前に広がりました。もうこの頃には体力も気力も元に戻っておりましたので、ガツガツと撮影をしておりました。いやしかし、長い一日でした。

これからが本当の地獄だ。。。

 翌日、快晴。気持ちのよい朝を迎え、昨日の苦労もすっかり忘れて美しい苗場山を撮影です。この日は赤湯温泉経由で元橋のバス停まで下ります。下山してからも天気予報をチェックしますが、もしその翌日もよさそうなら同行者とバス停でバイバイし、私は元橋から平標山へと転戦する予定です。体調もすっかり回復、すっきり晴れた青空の下、湿原の木道を歩いて下山ルートへと参ります。
 苗場はテーブルマウンテンですので、このルートも山上湿原が終わるとガクーンと道が落ちています。道はたいしたことないのですが、標高を下げるごとにとにかく暑い暑い。谷川岳は夏登っちゃいけないほど暑い場所というのは知っているですが、今まさにそちら方面に向かっているわけで、、、。道のほとんどが樹林で、日陰を歩いているにもかかわらず赤湯温泉に着く頃には汗だくです赤湯温泉では当然コーラです。この辺りからもう半分くらい意識なかったですが、ここからがさらに地獄。ちょうど時間もお昼前とあって、、、いったいあの日は何度あったんだろう。。。赤湯温泉からは元橋までほとんど標高は変わらないから大変な道ではないんですけど、一応コースタイムで4時間弱。この灼熱の暑さの中を、あと4時間弱。絶対体に悪い。
 普段なら絶対休まないところで何度も休憩しました。さすがに歩き続けるのがきつい暑さ。実際のこの界隈では(というか谷川岳だけど)、夏は熱中症で救助される登山者がでるくらいだから、とにかく気をつけなくてはならない。なんだか登山とは違うジャンルで戦っているかのようである。このときを振り返ると、本当に厳しかった印象が強く残っている。昨日の登り返しよりも辛い。  無事元橋のバス停に着き、事無きを得た。ちゃっかりバス停で帰りの便を待っていると、


  「で、西田さんはこれから平標山に行くんですよね?」

  「・・・・・・」

  「明日、晴れるみたいですよ。」

  「・・・・・・」

  「明日、晴れますよ。」

  「・・・いや、、、帰ろ、、、かな、と。」

  「平標山、すぐそこですよ。」

  「あ!バス来た!」



  戦士にも、休息が必要である。

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